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社会・教育

2024年07月04日

「リベラルな価値」も一種の権力にすぎない...批判主義にみる決定的な矛盾

佐伯啓思(京都大学 人と社会の未来研究院特任教授)

「リベラルな価値」も一種の権力にすぎない...批判主義にみる決定的な矛盾

「リベラルな価値」も一種の権力にすぎない...批判主義にみる決定的な矛盾

佐伯啓思(京都大学 人と社会の未来研究院特任教授)

社会の自由と平等を求め続けるリベラルは、権力者やあらゆる差別などの「敵」を徹底的に批判する。しかし、フーコーの権力論を当てはめれば、「リベラルな価値」も一種の権力作用にほかならない。 ※本稿は、佐伯啓思著『...

2024年06月19日

厳しく罰せば、更生できるのか? 見直すべき「受刑者」との向き合い方

坂上香(ドキュメンタリー映画監督)

厳しく罰せば、更生できるのか? 見直すべき「受刑者」との向き合い方

厳しく罰せば、更生できるのか? 見直すべき「受刑者」との向き合い方

坂上香(ドキュメンタリー映画監督)

今年(2024年)2月、都内のとある劇場に映画『プリズン・サークル』を観ようと多くの人が集まった。公開から5年を経ても各地で追加上映されるこの作品を製作したのは、ドキュメンタリー映画監督であり、NPO法人out of frameの...

2024年06月14日

毒親に縛られ続けたライナス・ポーリング...ノーベル賞を2度獲得した天才の苦労

高橋昌一郎(國學院大學教授)

毒親に縛られ続けたライナス・ポーリング...ノーベル賞を2度獲得した天才の苦労

毒親に縛られ続けたライナス・ポーリング...ノーベル賞を2度獲得した天才の苦労

高橋昌一郎(國學院大學教授)

ノーベル賞を受賞するほどの「光」あふれる偉才たちの人生の裏には、「影」が存在する。新刊『天才の光と影 ノーベル賞受賞者23人の狂気』を著した著者が、天才たちの狂気を生み出した要因をめぐり、驚愕のライフストーリーを...

2024年06月11日

ドイツに尽くしたユダヤ人、フリッツ・ハーバー...成功の裏にある「父に見捨てられた」過去

高橋昌一郎(國學院大學教授)

ドイツに尽くしたユダヤ人、フリッツ・ハーバー...成功の裏にある「父に見捨てられた」過去

ドイツに尽くしたユダヤ人、フリッツ・ハーバー...成功の裏にある「父に見捨てられた」過去

高橋昌一郎(國學院大學教授)

ノーベル賞を受賞するほどの「光」に輝く偉才たちの中でも、とくに私たちに窺い知れない「影」を抱えた23人。彼らの影はなぜ生まれたのか――。新刊『天才の光と影 ノーベル賞受賞者23人の狂気』を著した著者に、天才たちの狂気...

2024年05月14日

なぜ女性管理職は少ない? 「幹部育成のレール」が存在しなかった日本企業の因習

萩原なつ子(独立行政法人国立女性教育会館理事長)

なぜ女性管理職は少ない? 「幹部育成のレール」が存在しなかった日本企業の因習

なぜ女性管理職は少ない? 「幹部育成のレール」が存在しなかった日本企業の因習

萩原なつ子(独立行政法人国立女性教育会館理事長)

本稿の 前編 では、男女分業制が効率的とされてきた日本社会について取り上げた。これまでは男性は仕事、女性は家事に専念すべきというステレオタイプな考えが浸透していた。 しかし男女雇用機会均等法が制定され、人生1...

2024年05月13日

「男は外で仕事」の偏見が潰した、家庭を大切にする生き方という選択肢

萩原なつ子(独立行政法人国立女性教育会館理事長)

「男は外で仕事」の偏見が潰した、家庭を大切にする生き方という選択肢

「男は外で仕事」の偏見が潰した、家庭を大切にする生き方という選択肢

萩原なつ子(独立行政法人国立女性教育会館理事長)

議論がつづく女性活躍の問題。「男女共同参画社会」というスローガンは何をめざしたものなのか。前編となる今回は、NPOや環境問題に軸足を置き、幅広く社会を見つめてきた萩原なつ子氏にこれからの社会のあり方を聞いた。 ...

2024年05月07日

「世間教」の同調圧力から抜け出せるか

佐藤直樹(九州工業大学名誉教授)

「世間教」の同調圧力から抜け出せるか

「世間教」の同調圧力から抜け出せるか

佐藤直樹(九州工業大学名誉教授)

日本社会では、法律ではないマナーが、あたかもルールのように強制されている。その恐ろしさについては、多くの日本人がコロナ禍で実感したところではないだろうか。「世間」や同調圧力に関する研究を続ける筆者が考える、こ...

2024年04月24日

陰謀論者は“歪んだ承認欲求”で社会を分断している

福田充(日本大学危機管理学部教授)

陰謀論者は“歪んだ承認欲求”で社会を分断している

陰謀論者は“歪んだ承認欲求”で社会を分断している

福田充(日本大学危機管理学部教授)

日本も例外ではない、陰謀論やフェイクニュースの影響。背景にある実態を知ることで、われわれは適切なメディアリテラシーを身につけなければならない。陰謀論はどのように発生し、社会に影響を及ぼすのか? 日本大学危機管理...

2024年04月24日

陰謀論者の常套句「メディアは操られている」が隠す”不都合な事実” 

福田充(日本大学危機管理学部教授)

 陰謀論者の常套句「メディアは操られている」が隠す”不都合な事実” 

陰謀論者の常套句「メディアは操られている」が隠す”不都合な事実” 

福田充(日本大学危機管理学部教授)

日本も例外ではない、陰謀論やフェイクニュースの影響。背景にある実態を知ることで、われわれは適切なメディアリテラシーを身につけなければならない。日本大学危機管理学部教授、同大学院危機管理学研究科教授の福田充氏が...

2024年04月22日

赤ちゃんは言語をどう学ぶ? 研究者が語る「オノマトぺ」の重要性

今井むつみ(慶應義塾大学教授),秋田喜美(名古屋大学大学院准教授),千葉雅也(立命館大学大学院教授)

赤ちゃんは言語をどう学ぶ? 研究者が語る「オノマトぺ」の重要性

赤ちゃんは言語をどう学ぶ? 研究者が語る「オノマトぺ」の重要性

今井むつみ(慶應義塾大学教授),秋田喜美(名古屋大学大学院准教授),千葉雅也(立命館大学大学院教授)

「新書大賞2024」の大賞に輝いた『言語の本質』(今井むつみ/秋田喜美著 中公新書)。同書の共著者と気鋭の哲学者・小説家が、本書の内容をもとに白熱議論。赤ちゃんはなぜ、大人たちが話す「言語」を理解し、習得できるのか...

2024年04月12日

東大入学式で話題になった馬渕俊介氏が、ナイジェリアの「ワクチン不信」を拭った方法

馬渕俊介(グローバルファンド保健システムおよびパンデミック対策部長)

東大入学式で話題になった馬渕俊介氏が、ナイジェリアの「ワクチン不信」を拭った方法

東大入学式で話題になった馬渕俊介氏が、ナイジェリアの「ワクチン不信」を拭った方法

馬渕俊介(グローバルファンド保健システムおよびパンデミック対策部長)

2023年の東京大学入学式祝辞で「夢に関わる、心震える仕事を」と述べたことが話題の馬渕俊介氏。現在は、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)でヘルスシステムのトップを務める。途上国での感染症対策...

2024年04月11日

パンデミックを二度と起こさないために...世界の「感染症対策」の現在地

馬渕俊介(グローバルファンド保健システムおよびパンデミック対策部長)

パンデミックを二度と起こさないために...世界の「感染症対策」の現在地

パンデミックを二度と起こさないために...世界の「感染症対策」の現在地

馬渕俊介(グローバルファンド保健システムおよびパンデミック対策部長)

2023年の東京大学入学式祝辞で「夢に関わる、心震える仕事を」と述べたことが話題の馬渕俊介氏。現在は、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)でヘルスシステムのトップを務める。途上国での感染症対策...

2024年02月26日

ヘイトクライム被害者は日本社会をどう見た? 差別を乗り越える「対話の力」

石井光太(作家)

ヘイトクライム被害者は日本社会をどう見た? 差別を乗り越える「対話の力」

ヘイトクライム被害者は日本社会をどう見た? 差別を乗り越える「対話の力」

石井光太(作家)

近年メディアで大きな問題として扱われることの多い「ヘイトスピーチ」、そして「ヘイトクライム」。表現の自由を大義名分として行われる差別的言動の数々だが、これらの問題には日本社会の「国語力崩壊」が関係しているので...

2024年02月26日

ヘイトに傾倒して放火犯に...「ネットを盲信した男」の驚きの犯行動機

石井光太(作家)

ヘイトに傾倒して放火犯に...「ネットを盲信した男」の驚きの犯行動機

ヘイトに傾倒して放火犯に...「ネットを盲信した男」の驚きの犯行動機

石井光太(作家)

近年メディアで大きな問題として扱われることの多い「ヘイトスピーチ」、そして「ヘイトクライム」。表現の自由を大義名分として行われる差別的言動の数々だが、これらの問題には日本社会の「国語力崩壊」が関係しているので...

2024年01月18日

なぜITから“和菓子の道”に? 国内外で活躍する作家・坂本紫穗さんの転身の背景

坂本紫穗(和菓子作家)

なぜITから“和菓子の道”に? 国内外で活躍する作家・坂本紫穗さんの転身の背景

なぜITから“和菓子の道”に? 国内外で活躍する作家・坂本紫穗さんの転身の背景

坂本紫穗(和菓子作家)

美しい和菓子で人々を魅了する"和菓子作家"の坂本紫穗さん。国内のみならず海外からも注目を集める売れっ子だが、もともとはIT企業勤めのビジネスマンだったという。なぜ伝統的な和菓子の世界に進んだのか。その異...

2024年01月05日

【天才の光と影 異端のノーベル賞受賞者たち】第24回 ロジャー・ペンローズ(2020年ノーベル物理学賞)

高橋昌一郎(國學院大學教授)

【天才の光と影 異端のノーベル賞受賞者たち】第24回 ロジャー・ペンローズ(2020年ノーベル物理学賞)

【天才の光と影 異端のノーベル賞受賞者たち】第24回 ロジャー・ペンローズ(2020年ノーベル物理学賞)

高橋昌一郎(國學院大學教授)

「ブラックホールの特異点定理」を証明し、「ペンローズ・タイル」を考案し、「量子脳理論」を妄信する天才 ロジャー・ペンローズ(2020年) どんな天才にも、輝かしい「光」に満ちた栄光の姿と、その背面に暗い「影」の...

2023年12月11日

PTAや町内会...管理職の成長にもつながる“居心地の悪い場所”に行く経験

小沼大地(NPO法人クロスフィールズ共同創業者・代表理事)

PTAや町内会...管理職の成長にもつながる“居心地の悪い場所”に行く経験

PTAや町内会...管理職の成長にもつながる“居心地の悪い場所”に行く経験

小沼大地(NPO法人クロスフィールズ共同創業者・代表理事)

2011年の創業以来、注目を集め続けているNPO法人クロスフィールズ。当初は企業に勤めるビジネスパーソンと新興国をつなぎ、現地で社会課題の解決に取り組む体験を提供する「留職プログラム」を推進して話題を呼んだが、それか...

2023年12月04日

【天才の光と影 異端のノーベル賞受賞者たち】第23回 リュック・モンタニエ(2008年ノーベル医学生理学賞)

高橋昌一郎(國學院大學教授)

【天才の光と影 異端のノーベル賞受賞者たち】第23回 リュック・モンタニエ(2008年ノーベル医学生理学賞)

【天才の光と影 異端のノーベル賞受賞者たち】第23回 リュック・モンタニエ(2008年ノーベル医学生理学賞)

高橋昌一郎(國學院大學教授)

「AIDSウイルス」を発見し、「ホメオパシー」を擁護し、「水の記憶」を妄信した天才 リュック・モンタニエ(2008年) どんな天才にも、輝かしい「光」に満ちた栄光の姿と、その背面に暗い「影」の表情がある。本連載で...

2023年11月20日

もし不老不死が実現したら? 禅僧と神父が憂慮する「認知症の苦しみ」

横田南嶺 (臨済宗円覚寺派管長)、片柳弘史(カトリック宇部教会主任司祭・神父)

もし不老不死が実現したら? 禅僧と神父が憂慮する「認知症の苦しみ」

もし不老不死が実現したら? 禅僧と神父が憂慮する「認知症の苦しみ」

横田南嶺 (臨済宗円覚寺派管長)、片柳弘史(カトリック宇部教会主任司祭・神父)

人は死んだらどうなるか。不老不死が実現したらどうなるのか。延命治療や安楽死の是非が語られる現在、生老病死に加えて新たな「第五の苦しみ」が生まれている、という。人間の生きる苦悩と解放をめぐり、禅僧と神父が語り合...

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