2025年04月08日 公開
4月17日に幕を開ける舞台『リンス・リピート』に出演する俳優の吉柳咲良さん。多様な役柄との出会いを通して、「他者に寄り添える優しい存在」を目指したいという吉柳さんに、その信念について話をうかがった。(撮影=吉田和本、ヘアメイク=折原絵理、スタイリスト=Kaz Nagai)
※本稿は『Voice』(2025年5月号)「令和の撫子」より抜粋、編集したものです。
2016年、当時12歳で「ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを獲得し、翌年俳優デビューを果たした吉柳咲良さん。今年(2025年)1月期のTBS系日曜劇場『御上先生』では、「生理の貧困」の問題等を抱える生徒・椎葉春乃役で話題を呼んだ。
4月17日に開幕する舞台『リンス・リピート』で演じるのは、摂食障害を患うレイチェル役。病気をきっかけにあらわになる家族のすれ違いを描いた本作は、2019年のオフ・ブロードウェイの話題をさらった。
「たとえ家族でも価値観がまったく同じことはないので、苦しさを話したところで救ってもらうことはできないんですよね。立ち上がるために行動するのは自分自身で、それができるかできないかは大きな違い。台本を読んで、私はレイチェルをすごく素敵な人だと思いました」(吉柳さん)
本作に限らず、役に真摯に向き合ってきた吉柳さん。その経験は、明確な目標につながっている。
「じつは俳優という肩書きだけに重きは置いていないんです。いまの自分が楽しみながら、いろいろな価値観を学べる職業だと思っています。多様な考え方に日々触れるからこそ、満足して人生を終えるという『ゴール』までの道筋に自分は何を大切にしたいのかを重視していきたいです」(同)
そして吉柳さんは、考えることを大事にする。
「人のことも自分のことも、『わからない』のは怖いんです。少しでも多くのことを理解して、他者に寄り添える優しい存在でありたい。自分なりの意見をもつことで、はじめて誰かをちゃんと肯定することができると気づいたからです。俳優である以上、嫌でも役に向き合いますから、これまで演じた役に人間としての成長も後押ししてもらっています」(同)
吉柳さんの躍進に、今後も目が離せない。
・シャツ ¥53,900、インナー ¥31,900(共にAKANE UTSUNOMIYA/AKANE UTSUNOMIYA 03・3410・3599)
・パンツ ¥37,400(SUESADA/SUESADA r@suesada.com)
・左手薬指リング¥49,000、左手小指リング¥35,800、右手人差し指リング¥48,900(全てTom Wood/Tom Wood Store Aoyama 03・6447・5528)
・その他スタイリスト私物
4月17日から開幕(紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA、京都劇場)
https://horipro-stage.jp/stage/rinserepeat2025/
【吉柳咲良(きりゅう・さくら)】
2004年、栃木県出身。2016年の「第41回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを獲得。2017年、ミュージカル「ピーター・パン」の10代目ピーター・パン役で俳優デビュー。2024年にはソロアーティストとして「Pandora」をリリース。近年の主な出演作にミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(2024)、ドラマ「御上先生」(TBS系/2025)、実写映画「白雪姫」プレミアム吹替(2025)など。
更新:04月13日 00:05