2020年03月10日 公開
2020年03月13日 更新
写真:吉田和本
東日本大震災から10年目を迎える今年の3月6日、福島第一原発作業員の奮闘を描いた映画『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)が公開された。主演を務めた渡辺謙さんは、日本人は震災や戦争を十分に検証できていないと語る。その真意をうかがった。
本稿は月刊誌『Voice』2020年4月号、渡辺謙氏の「日本人は震災を『検証』しているか」より一部抜粋・編集したものです。
聞き手:Voice編集部(中西史也)
スタイリスト:馬場順子
ヘアメイク:筒井智美(PSYCHE)
――渡辺さんは本作『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)の舞台挨拶で、「この国は(過去の教訓を)論理的に継承して後世にどう残していくのかを考えることがあまり上手ではない」と発言していました。あらためてその意味を教えてください。
【渡辺】日本人は歴史をきちんと振り返ることができているのか、と不安を感じることがあります。
東日本大震災もそうだし、75年前の先の大戦のことですら、いまだに納得のいく「検証」ができているのか疑問です。過去の悲劇に正面から向き合うための教育が不十分な側面もあるでしょう。
将来、われわれが同じ過ちを繰り返さないために、いま以上に歴史から多くのことを学ばなければいけません。わが国で起こった事実と真摯に向き合い、理解した上で、いかなる未来を築くかを考える必要がある。
いま被災地がどのような状況にあるのかを含めて、われわれは情報を受け止めて、選択をしていかなければならないと思いますね。
更新:12月04日 00:05