【渡邉】 何だかわからないですよね。しかも言い出した翌日に北朝鮮側からミサイルを撃たれたという。あからさまに拒否されているじゃないですか。
【室谷】そうです。日本の「報復」に対応するには経済強国にならなければならない、内需が巨大な日本に対抗するために、文在寅は「南北の経済協力で平和経済を実現すれば、一気に追いつくことができる」(8月5日、青瓦台秘書官・補佐官会議)と言った。韓国型左翼の妄想ですよ。
【渡邉】 8月15日にも改めて強調していましたね。
【室谷】 「平和により繁栄を実現する平和経済」「北韓(北朝鮮)が核ではなく経済と繁栄を選ぶよう対話と協力を続ける」「不満があっても対話のムードを壊し、妨げてはならない」という。根拠が希薄というより他にない。
【渡邉】 すごい数字を出していましたよね。統一すれば経済大国になって、2050年には1人当たり国民所得7~8万ドル時代を達成できるとか。
【室谷】 さすがに、「……できるという研究もある」でしたけれどね。ドイツ統一だっていまだ尾を引いているのに、南北統一なんて話にならないでしょう。
そこで彼らが必ず出してくるのが、北朝鮮にはレアアースがあるという話です。
【渡邉】 北朝鮮にレアアースがあること自体は本当でしょう。それは日本が統治時代に全部調べていたデータをアメリカが持ち出したので、まあ存在自体は確かといえば確かなのですけれどね。
しかし韓国の統一論者たちが期待するような金銭的価値が現在本当にあるのかどうか、それで南北がリッチになれるほどの質と量があるのか、それはわからないとしか言いようがない。
【室谷】 8000万人の国家がそんなのを当てにしているというのは、どうもねえ。
【渡邉】 それこそ人口が100万人の国家であれば食べていけるかもしれませんよね。
中東の小さな産油国のようなレンティア国家、せいぜい1000万人くらいまでの規模ならばそれだけで豊かになれるかもしれませんが、統一した朝鮮、あるいは韓国なのかはわかりませんけれど、人口は8000万人近くになる。
【室谷】 そのころは少子高齢化で、もっと減っているかもしれませんけどね。
【渡邉】 いずれにしても、日本に匹敵するような内需国家を目指そうという時点で、詳細すらわからない資源を当てにしていること自体に違和感がありますよ。
更新:11月22日 00:05