2019年06月28日 公開
2019年06月28日 更新
こうしたウイグル人留学生たちの誰もが2017年春以降、つまり脱過激化条例施行後、日本にいながらにしてさまざまなかたちで迫害、圧力を受け続けていた。
東京近郊の公立大学で経済学を勉強中の男子留学生ジョン(仮名)は、
「2017年10月から家族と連絡が途絶えた。メールしても返事がない。人づてに父と弟が再教育施設に送られたと聞きました。婚約者の妻の父親も再教育施設に送られて、2017年10月に施設内で死亡しました。理由は分かりません」という。
留学先からでは家族が収容所に入れられても、誰にも詳しくは事情を聞けない。監視されている電話やチャットでは"収容"という言葉を使うだけで収容所送りの理由になってしまう、と怯えているからだ。家族から「父が入院した」といわれれば、それは病院に入院したのではなく、強制収容されたのだと"察する"しかない。
切実な問題としては、一族の長が強制収容されると、学費や生活費の送金などが途絶えてしまうことだ。
「勉強を続けたいし、帰国すれば私自身も再教育施設に入れられる。だからバイトを頑張って学費と生活費を稼ぐしかないが、留学生に許された週28時間のバイトではとても足りない。7月のビザ更新のときは、出入国管理局から呼び出されて(バイトが多すぎるので)厳しい質問もされました。ウイグル人が直面している事情を説明しても、なかなか理解してもらえなくて」
とジョンは訴えた。
更新:11月22日 00:05