2021年03月25日 公開
2022年11月02日 更新
こうした現場の分析を詳しく見てみると、現在ジョー・バイデンの登場によって政治的には有利な立場に立った習近平や中国海軍がこのまま台湾占領戦争を始めたとしても、成功させるにはいま一つ不安な要因があることを示している。
とくに台湾側がドイツの協力を得て、ディーゼル型最新鋭潜水艦の建造に成功したことが注目される。ドイツが第二次大戦以来、通常型潜水艦の開発に力を入れていることはよく知られてきたが、台湾がすでに大量のドイツ型の通常型潜水艦の建造を始めていることについての明確な情報はなかった。
ところが最近のアメリカ海軍の報告によると、新しいドイツの通常型潜水艦の建造は技術的に容易で、台湾の技術力でも十分に大量生産が可能になったと見られている。
そのうえ、ドイツは優勝なソナーや、魚雷の開発にも成功しており、台湾側が密かにそういった新しい新兵器の購入や製造に成功していることは間違いないと見られている。
アメリカ太平洋軍の報告によると、台湾はすでに開発の終わっている射程3,000キロ以下の中距離ミサイルの大量生産に取りかかっており、中国の強力なミサイル攻撃網に対する抑止体制を整えつつある。
この点については私自身、台湾国防大学の幹部にアメリカの海軍戦略について教えていた頃からも多くの情報を得ていたが、台湾は独自のミサイルによる抑止戦略の強化に非常に熱心である。
台湾はミサイルによる防衛体制や、中近距離ミサイルによる抑止戦略について、あまり多くを語っていない。しかしながら消息筋によると、台湾側は中近距離ミサイルによって、中国本土の三峡ダムを破壊することを含め、抑止体制を十分に整え終わっている。
習近平は近頃では態度を変え、台湾の軍事施設だけでなく、民間の施設なども攻撃する体制を整えつつあるといわれているが、台湾が抑止体制を完備すれば、ミサイルによって台湾の民間施設を自由には攻撃できなくなる。
習近平が台湾攻撃にこのところ熱心になっているのは、中国国内政治の動向が不安定になっているからだと思われる。習近平は中国国内の政治情勢についてあまり懸念していないといわれているが、現実的に考えると、中国はアメリカをはじめヨーロッパへの輸出が急速に減っているうえ、「一帯一路」と呼ばれる全世界的な貿易輸出体制計画も行き詰まっている。
そのうえはっきりしているのは、中国のウイグル民族に対する民族絶滅計画やチベット文明破壊などといった非人道的な行動に対してヨーロッパが強く反発していることである。
更新:11月22日 00:05