2021年02月13日 公開
2022年10月20日 更新
――新型コロナ禍により、エンターテインメント業界は深刻な打撃を受けています。お笑い界も劇場が閉じたり、リアルな舞台が制限されたりと、その余波は少なくありません。笑いの力についていま何を思いますか。
【巨人】こういう厳しい状況のときこそ、世の中には笑いが絶対に必要です。コロナで落ち込んでいる人のなかには、笑いに救われた人がいるかもしれない。
ただ、社会が自粛モードで落ち込んでいるときに人びとに笑いを届けるのは簡単ではありません。2011年3月の東日本大震災直後、津波の被害で大切な人を亡くした方の前で本当に楽しく漫才ができるかといったら、正直できないと思いました。漫才師としてもどかしく、辛かったことを覚えています。
今回のコロナ禍では人と会うことすら難しいので、100日以上、漫才をしない期間がありました。阪神君とのネタ合わせもままならないから、やり慣れたネタですら忘れてしまっていた。自分たちのDVDの映像を観直して、何とか擦り合わせていました。
――漫才の形は「変化」し続けながらも、人びとに笑ってもらうという目的は変わりませんね。
【巨人】笑いは、人が生きていくうえでの大切なエネルギーです。人びとに笑顔を届けるのが僕たちの仕事であり、これまで以上にその役割が求められている。僕は、世の中のことはよくわかりません。
ちょっとかっこつけさせてもらうと、漫才のことしかわからないんです。僕らの漫才を観に来てくれるお客さんがいる限り、しんどいけど、まだまだ現役で頑張りますよ。
更新:11月22日 00:05