2020年10月23日 公開
2022年01月13日 更新
――「やろうと思えばできた」わけですね。
【松井】 さらに問題なのは、参議院の定数増による経費を賄うために取り決められた参議院歳費の自主返納が、いまだに3分の2にとどまっていることです。
議員定数が6人増えると3年間で約6億7700万円の税金がかかりますから、昨年6月、参議院議員一人当たり毎月7万7000円の給料をカットする法案が成立しました。
法案に賛成した自民、公明、維新は当然、全参議院議員が返納しています。しかし反対していた当時の立憲民主党はおろか、賛成していた旧国民民主党の議員ですら返納状況を公表していない。
あくまで“自主”返納であるとの言い訳を盾にしていますが、約束を守らず私欲にとらわれている議員がいることは明白です。
国民の暮らしを思えば、新型コロナの影響で雇い止めにあったり、給料が減ったりしている方もいるでしょう。
その状況下で、国会議員は毎月100万円を超える歳費に加えて、文書通信交通滞在費100万円以上をもらっておきながら、7万7000円の給料すら進んでカットすることができない。
そんな自分たちの保身しか考えていない人たちが、改革を実行できるはずがありません。
――安倍政権が成し遂げられなかった憲法改正については、改憲を党是に掲げる維新以外の野党が憲法審査会の議論に応じず、進展しませんでした。
【松井】 維新の会は憲法改正について、教育無償化、憲法裁判所設置、地方分権の3つの柱を基本に条文をまとめています。憲法審査会で議論を進めて国会で発議し、最後は国民の皆さんに決めていただくのが筋です。
究極の民主主義である国民投票をぜひとも実施してもらいたい。旧立憲民主党や共産党の議員はよく「安倍政権での憲法改正には反対」と叫んで一切の議論を拒んできましたが、その姿勢は職務怠慢にほかなりません。
ならば、どの政権のときなら議論に応じるのかと問いたい。
菅新総理は安倍前政権の方針を継承し、憲法改正に取り組む姿勢を示しています。総理が替わったわけですから、他の野党は今度こそ真面目に改憲論議に向き合っていただきたいですね。
更新:11月22日 00:05