2020年10月23日 公開
2022年01月13日 更新
――野党の政局を見ると、立憲民主党と国民民主党間の合流を経て、双方の党名が残るかたちで再編されました。両党とはどう関わっていくのでしょうか。
【松井】 我々は他の野党とは一線を画します。国民の皆さんもご存じのように、彼らは選挙のたびに何度も離合集散しています。
選挙を見越してなのか、自分の政策とは考えが異なる政党への鞍替えを繰り返す議員だっている。
今回、合流新党の立憲民主党に集まった議員には、2017年10月の衆議院総選挙のときに希望の党(小池百合子代表、現在は解党)から出馬した人も少なくない。彼らの多くは比例代表で当選した顔ぶれでしょう。
僕は小池さんと何度も議論を重ねましたが、身を切る改革と憲法改正を真正面から行なうとの考えにおいては、希望の党と維新の会の公約には確かな親和性があった。基本的な考えが一致していたので、協力する余地があったわけです。
ところがあれから3年が経過し、当時の約束を反故にして立憲民主党に合流した議員がいる。いまの同党のメンバーをみていると、「旧民主党」そのものだと慨嘆せざるをえません。
――改憲一つとっても、希望の党や新たな国民民主党と合流新党の立憲民主党では価値観が異なりますね。
【松井】 政党とは本来、政治理念や信条、国家観が一致するからこそ結社を組むものだと僕は理解しています。政党内で考えが100%一致することは難しくても、骨格の部分が通じているから政党として存在意義がある。
しかし「旧民主党」の議員たちはとにかく離れたりくっついたりしていて、言うなれば寄らば大樹の陰です。
彼らは結局、自分たちが当選して国会議員であり続けることばかりを考えている。国民のほうを向いていないことは明らかでしょう。
国会議員としての身分に固執しているのは、自民党・公明党も同様です。2018年7月、自民党が提出した改正公職選挙法が成立し、参議院議員の定数が六人増えました。
なぜ人口が減少している我が国において、その流れに逆行するかのように議員を増やさなければならないのか。これは自民党参議院の党内事情であって、国民から見ればじつにおかしな話です。
大阪府では2015年4月より、府議会議員の定数を109から88へと21議席、すなわち約2割を削減しました。
それから5年が経ちますが、住民の声が届きにくくなったとか、議員と役所との距離が遠のいたという声は聞こえてきません。
情報通信技術が発達し、人力の負担を減らしていこうとするこの時代、政治家の数なんて2割減らしても何ら問題ないことの証左でしょう。
更新:11月24日 00:05