2020年07月16日 公開
2022年07月08日 更新
こうなると、民主党のジョー・バイデン大統領候補は、目立たぬものの失言やスキャンダルを避けて、トランプ大統領による敵失を待つ戦略を採るであろう。
仮にバイデン氏が勝利しても、77歳という高齢に鑑み、一期かぎりの大統領となろう。ポスト・バイデンの民主党のリーダー養成が注目される。早くも、民主党政権3期12年を夢見る向きもある。
新型コロナウイルス対策では、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事らのリーダーシップが際立った。パンデミックといっても地域差が大きいし、先述のようにアメリカでは州権が独立している。トランプ大統領の無策は、連邦政府と州権の力学をも拡大して見せた。
もしトランプ大統領が11月の選挙で敗れれば、トランプ氏との盟友関係を資産とする安倍晋三首相の政治力やポスト安倍の首相レースにも、影響が及ぶかもしれない。
民主党で大統領候補をめざしたピート・ブティジェッジ氏(前インディアナ州サウスベンド市長)のように、地方都市から、マイノリティ集団から(同氏はゲイ)、次のリーダーが彗星のように現れるかもしれない。
もちろん、それが「第三のリンドバーグ」かもしれないが。日本としては、アメリカ社会に多様な人脈を張り巡らさなければならない。その際、日米二国間のみならず、多国間協力のなかでの人脈構築をめざしたい。
今年の大統領選挙は1940年のそれに匹敵するほど重要かもしれず、トランプ「拡大鏡」の影響は甚大なのである。
更新:11月22日 00:05