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「東日本大震災を超える事態」 ホリプロ社長が語るコロナへの危機感

2020年05月18日 公開
2020年05月18日 更新

堀義貴(株式会社ホリプロ代表取締役社長)

堀義貴※画像はイメージです。

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっている。日本政府は2月26日以降、大規模イベント等の開催について、中止や延期、規模縮小を求めてきた。4月7日には緊急事態宣言が発令され、音楽や演劇などのイベントの開催はさらに困難を極めている。大手芸能事務所であり、エンターテインメント事業を手掛けるホリプロの堀義貴社長は、この未曾有の事態をどう捉えているのか。エンタメ業界が直面している現状とともに、難局に向き合う覚悟について伺った。

本稿は月刊誌『Voice』2020年6月号、堀義貴氏の「エンタメが現場から崩壊しかねない」より一部抜粋・編集したものです。

聞き手:Voice編集部(中西史也)

 

演劇は「死んだ」のか

――3月27日には、文化庁長官が声明を発表し、「日本の文化芸術の灯を消してはなりません」「明けない夜はありません」と呼びかけていました。この声明をどう受け止めましたか。

【堀】 私たちは潰れることを覚悟で、2月末から死ぬ気で耐えてきました。そこへ3月末になっていまさら精神論をいわれても……。

「明けない夜はありません」といっても、会社や現場が倒れてしまってはどうしようもない。武士は食わねど高楊枝のような根性論を押し付けられた気持ちになりました。

――劇作家・演出家の野田秀樹さんは、イベントの自粛について「演劇の死」を訴えました。演劇関係者も並々ならぬ危機感をもっていると思います。

【堀】 野田さんが意見書を出したとき、理解を示す方も一定数いたけれど、ネット上では「演劇業界だけが税金で助けられるのか」「そもそもエンタメは生き死にとは関係ない」などと批判的な意見が目立った気がします。そう思っている方がたくさんいるのかもしれない、と寂しさを覚えました。

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