2020年01月02日 公開
2022年03月10日 更新
ハンターの役員就任に同期するように、IMFは、同国の金融市場安定化資金に18億ドルを拠出した。返済は米国が保証した。
これをアレンジしたのはバイデン副大統領だった。当該融資は、ブリスマのオーナー(イホール・コロミスキー)の所有する銀行を通じてなされたが、たちまち10億ドルが消えた。
これを怪しんだウクライナ検察庁の動きをバイデン副大統領が妨害した。「(この案件を担当する)検察官を解雇しなければ、わが国からの支援金はでない、と脅かしてやった。そしたら、その『くそったれ検察官』は首になった」と、バイデンは笑顔で語る(2018年1月*2)。
解雇されたウクライナ検事総長(ビクトル・ショーキン)は解雇時の状況を次のように述べている(宣誓供述書:2019年9月)。
「ポロシェンコ大統領は米国大統領府からの圧力があるという理由で私に辞任を求めた。強硬に解雇を求めているのはジョー・バイデンだとのことだった。バイデンは、米国からの支援金10億ドルを、私が解雇されるまで保留すると脅していた」
2019年5月、ウォロディミル・ゼレンスキーがウクライナ新大統領に就任した。トランプ大統領は新大統領を電話で祝福した(9月24日)。公開された会話の一部が以下である。
「バイデンの息子にはいろいろ噂がある。(中略)バイデンは、捜査を止めさせたと自慢して歩いている。(それが真実なら)とんでもないことだ。この問題に貴殿が対処してくれたらいいのだが」(トランプ)
「この件についてはよく事情を知っています。(中略)新検事総長は、この案件を捜査するでしょうし、件の会社(ブリスマ)についても関心を寄せるでしょう。(後略)」(ゼレンスキー)
民主党はこれが大統領権限の濫用だと主張する一方で、大統領弾劾に先頭に立った下院議長ナンシー・ペロシ(民主党)の息子ポールもウクライナの石油企業(Viscoil)の役員を務めていた。米国民が民主党に胡散臭さを感じるのは当然だ。
民主党が11月の大統領選挙で大敗するのは間違いなかろう。
*1:Peter Schweizer, Secret Empires, Harpers, 2018, p67
*2:シンクタンクCFR(米外交問題評議会)でのスピーチ
更新:11月24日 00:05