2019年11月13日 公開
2022年07月08日 更新
文在寅政権の「官製反日」政策にもかかわらず、韓国でベストセラーになった李栄薫氏(イ・ヨンフン:ソウル大学元教授、落星台経済研究所所長)の編著『反日種族主義』。過去にこだわり、賠償請求を繰り返す精神の腐敗はなぜ終わらないのか。韓国を代表する知識人2人が問題の根本を正す。
※本稿は『Voice』(2019年12月号)李栄薫氏&洪ヒョン氏の「低級な物質主義を克服せよ」より一部抜粋、編集したものです。
【洪】まず、「反日種族主義」という概念と用語を明確にしたのはいつごろですか。また、出版に踏み切った決定的なきっかけは何でしたか。
【李】「反日種族主義」はずっと前から考えてきたテーマでした。李承晩学堂(現代史を国民に教えるため、李栄薫氏が設立した学びの場)を始めつつ、反日種族主義の克服をもっと早く訴え、警告したかったのですが、優先的にやらねばならなかった課題もあって後回しにしていました。
ところが昨年の10月、韓国の最高裁から元徴用工に対する判決が出たため、これ以上遅らせてはならない、と思い、YouTubeの映像講義を12月から始め、今年の5月までに45回も放送しました。講義が終了する前から本の編集を始め、慰安婦問題の放送回が終わる時点で原稿がそろったので、今年7月に出版できました。
【洪】『反日種族主義』がベストセラーになる、と予想していましたか。また出版後、落星台(ナクソンデ)経済研究所に極左の乱暴者が来たと報道されましたが、李承晩学堂にも抗議や妨害、何より文在寅・反日政権からの圧迫(税務調査など)はありませんでしたか。
【李】話題を呼ぶかもしれない、とは思いましたが、ベストセラーになるとは予想しませんでした。今年9月時点で11万部が売れ、現在は1日100冊程度売れています。幸い、落星台経済研究所の他には乱暴・狼藉の類はありません。
(文在寅)反日政権からの直接圧迫はまだありませんが、この本がベストセラーとなるにあたっては曺国(前法相)も一役買いました。「官製反日」の急先鋒だった曺国が、私たち(事実上の出版主体は落星台経済研究所)と本書を誹謗・中傷し、私も厳しく反論したことで『反日種族主義』の宣伝になったからです。
【洪】『反日種族主義』を読んでアンチ反日運動に乗り出した人々もいる、と聞きました。
【李】非公式に読書会ができつつある、とは聞いています。とくに社会学者や歴史学者たちが「いったい李栄薫という人物が何を書いたのか、読んでみよう」と。
更新:11月22日 00:05