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「中国共産党の脅威」を生んでしまったアメリカ痛恨の”判断ミス”

2019年09月06日 公開
2019年09月17日 更新

江崎道朗(評論家)

 

アメリカにすべてを委ねることは、日本にとって危ういこと

今年(2019年)は、日本が敗戦してから74年目、朝鮮戦争勃発から69年目にあたる。関係各国では、朝鮮戦争をめぐる当時の各国の秘密工作、インテリジェンスに関する情報公開が進んでおり、その研究もアメリカ、中国、ロシア、そして日本でも進んでいる。

そうした世界各国の研究の結果、ソ連と中国共産党による対米工作、対日工作と、アメリカの対外政策のミスによって、日本は先の大戦の敗戦後、共産革命の危機からソ連の衛星国になる危機、朝鮮戦争と連動する形での北海道をソ連に侵略される危機、そして中国共産党政府による台湾「侵略」の危機に晒されていたことが明らかになりつつある。

当たり前のことだが、国際社会は、日本の思惑、日本の願望どおりに動くわけではない。しかも現時点で報じられていることだけが国際政治のすべてではない。マスコミで報じられていること、政治家たちが話していることとは正反対のことが、秘密裡に進行していることがあるのだ。

『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』(PHP新書)では、当時の日本人の多くが理解していなかったが、敗戦後の日本を襲った「危機」がどのようにして起こり、その「危機」にどのように対応したのか、日本占領から朝鮮戦争に至る戦後史を、主としてインテリジェンスに関わる歴史研究を踏まえて描いた。

その目的は、これから日本を襲うであろう、朝鮮半島、台湾、そして尖閣諸島という同時多発の危機に日本がどう対応したらいいのかを、考えてもらいたいからだ。

アメリカは頼りになる同盟国だが、そのアメリカに日本の平和と安全を委ねてしまうことは極めて危ういことを知ってほしいのだ。

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