2019年08月29日 公開
2022年07月19日 更新
しかしながら、その明治維新が近代日本の在り方をつくったとして、世界各国を眺めてみますと、1860~70年代は各国それぞれに体制の再編成をしています。
アメリカの南北戦争しかり、ドイツ統一しかり、イギリスの選挙法改正しかりです。
後進地域の大帝国も国家の再編で苦しんでいました。
そのような状況で、経済、資本主義は独り歩きをし始め、人間の手を離れたのではないかともいえるような事態が出てきます。
19世紀後半からの帝国主義時代です。それを説明するための多くの学者が出てきます。
悲しいことに、帝国主義の行き着いたところは戦争になります。
この帝国主義を克服するために対照的な社会・経済理論が出てきます。
一つは資本主義を維持するためのケインズに代表される近代経済学。
もう一つは、資本主義体制下で搾取されてきた労働者を救済するための社会主義思想で、マルクスからレーニンで深められていきました。
この二つの傾向は、1930年代に奇妙な形でよく似た経済政策を実行することになります。フランクリン=ローズヴェルトのニューディールとスターリンの社会主義計画経済です。
ヒトラーの国家社会主義はこの両者を折衷したものといえるのかとも思えます。
このようにして歴史を振り返ったとき、19世紀はまさしく20世紀を用意した時代、そして20世紀に問題になるさまざまな種をばらまいた時代といえるのです。
更新:11月22日 00:05