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橋下徹 「丸山穂高氏は“行動目標”を認識できていなかった」

2019年06月10日 公開
2024年12月16日 更新

橋下徹(元大阪府知事/弁護士)

松井氏と吉村氏それぞれの「実行力」

――今年4月の大阪府知事・市長選で共に勝利した吉村洋文氏、松井一郎氏の組織運営や「実行力」をどう評価していますか。

【橋下】 二人はそれぞれ違ったやり方で「実行力」を発揮しています。

松井さんは大きな仕事を実行する一方で、組織内の人間関係を深めることでもプロ中のプロです。大阪府・大阪市の役所組織に加え、個性の強いメンバーが集まる政治集団の維新の会を見事に束ねている。

松井さんの手法はいわゆる「泳がせ方式」で、基本的にそれぞれのポジションの責任者に仕事を任せます。

細かいことには口を挟まず、いざというとき、肝心要の問題には持ち前の人間関係力で根回しをした上で、迅速に決断、実行する。若手も自由にやらせてもらえる分、仕事に対して果敢にチャレンジができる。

その典型例が吉村さんです。彼は抜群の実務能力をもっており、自らが実績を出して模範を示すタイプです。

僕が大阪市長だったとき、彼は「吉村チーム」のリーダーとして黒子作業に徹し、懸命にサポートしてくれました。僕から大阪市長を引き継いでからは、国に先駆けて幼児教育の無償化などを実現しています。

――人間関係力で組織をまとめる松井氏と、実務能力に長ける吉村氏の両輪によって、現在の維新は回っているわけですね。

【橋下】 維新は松井さんをトップに、ベテラン・重鎮グループと、吉村さんを中心とした若手グループの役割分担がよいバランスでできています。

ベテラングループには「維新の会の天皇」と呼ばれる横倉廉幸さん(大阪府議会議員)がいるのですが、横倉さんは私心にとらわれない人格者です。

横倉さんたち重鎮は松井さんを支え、若手に対してうるさく口出しすることはありません。若手は自由に政策に取り組み、本当に困ったときは経験豊富なベテランがサポートしてくれる。

行動目標の下に、実務作業をこなす若手と人間関係力をもつベテランがどちらも揃うことで、よい組織ができていくのだと思います。

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