2019年06月27日 公開
2020年07月21日 更新
個人のキャリアを考える上でも世界の潮流を読むことが重要である。次にどの産業が流行るかはシリコンバレーに注目していれば分かる、とシリコンバレー・エンジニアの酒井潤氏は語る。日本人が次の時代を生き抜くために必要な発想とは。
取材・構成:中﨑史菜
※本稿は『Voice』6月号、酒井潤氏の「なぜシリコンバレーで働くのか(下)」を一部抜粋、編集したものです。
先ほど、個人のキャリアを考える上で、近道を考えることが重要だと述べましたが、これはビジネスでも同じことがいえます。
ビジネスで成功する近道は、情報をいち早くつかむことです。情報をキャッチすることで選択肢が増える。選択肢が増えると、それだけ戦略的な自由度が増すことになります。
情報先取の観点から、「次の産業は何がくるでしょうか?」という質問をよく受けます。私は「お金持ちをみていればわかる」と答えるようにしています。
ある意味でIT業界の流行りは、洋服のブランドの流行りと似ています。お金持ちが「次はこれが流行る」といって投資を始めたら、本当に流行るのです。
シリコンバレーの歴史を振り返ってみても、仮想化ソフトウェア、クラウド、SNS、ビッグデーターなど、その時々の流行りに乗っかった企業は一気に大きくなっています。
昨今、IoT(モノのインターネット)が注目されていますが、すでに10年以上前、私がNTTドコモに勤めていた時期から、研究は行なわれていました。
当時はIoTという言い方はされておらず、あまり注目もされていませんでしたが、現在、この分野で続々とベンチャーが生まれています。シリコンバレーのベンチャー・キャピタルが「次はIoTという波がくる」と決めており、その分野の企業に投資することがわかっているからです。
更新:11月23日 00:05