2019年05月15日 公開
2019年05月15日 更新
聞き手:編集部(中西史也) 写真(大坊崇)
2025年に再び大阪で万博が開催される。関西を長年ウォッチしてきた辛坊治郎氏は、「万博は人生の原点」と語る。夢の祭典でいかなる展示が展開されるのか。辛坊氏の大胆予測。
※本稿は月刊誌『Voice』(2019年6月号)、辛坊治郎氏の「本格始動した大阪都構想」より一部抜粋・編集したものです。
――2025年には、松井一郎・吉村洋文両氏が推進してきた国際博覧会(万博)が大阪・関西で開催されます。1970年にも大阪で万博が行なわれましたが、辛坊さんにとって万博はどういった祭典でしょうか。
【辛坊】 私にとって万博は人生の原点であり、とにかく大好きなイベントです。1970年の大阪万博のときに私は中学2年生で、万博会場近くの親戚の家から通い詰めていました。こんなに面白いものが世の中にあるんだ、と感動したものです。
日本で行なわれる本格的な国際博は、2025年の大阪・関西万博で3回目です。過去2回は1970年の大阪万博と、2005年の愛・地球博。
1970年当時はネットがなかったので、現地に行って実際に展示を見ることに意味がありました。しかしいまは、ネットで何でもすぐに検索して、世界中の動画が見られる時代。わざわざ足を運んで何かを見ることの価値は薄れています。
その時代の流れを捉えていなかった意味で、2005年の愛・地球博は失敗だと思っています。
ある世代以上の日本人の多くが、1970年の大阪万博のテーマを「人類の進歩と調和」と答えられる一方、2005年の愛・地球博のテーマ「自然の叡智」を覚えている人がどれだけいるでしょうか。
このままでは2025年の万博も、時代遅れの祭典として終わってしまう可能性があります。
更新:11月21日 00:05