2019年05月04日 公開
2020年07月21日 更新
すなわち日本企業のエンジニアが残業までして薄給なのは、まさに製品の売上が少ないからで、その反対にシリコンバレーで働くエンジニアの給料が高く、かつ労働時間が短いのは、たんに製品の売上が多いからです。
シリコンバレーでは、仮に2人のエンジニアに3000万円ずつ払ったとしても、1億円の売上があれば、4000万円の利益が挙がることになる。
一方、日本企業の場合、エンジニアに600万円しか払わなくても、その利益は400万円でしかありません。
さらに、シリコンバレーのエンジニアの勤務は8時間労働で5時には帰宅できるのに対し、日本ではアメリカのエンジニアの2人分の仕事を1人でこなす必要があり、残業で夜中まで仕事をすることになるわけです。
このたとえ話からわかるように、収入や労働時間の多寡というものは、個人のスキルだけでなく、いま働いている企業がどれだけ大きな市場をもっているか、といった環境によって左右されるのです。
言い換えれば、「市場の大きさ」とは「ビジネスの上手さ」のことである。ビジネスが上手な国でつねに「トップの世界」に身を置いていると、自然と給与は上がるのです。
逆にいえば、ビジネスが上手い国にいるから稼げているだけで、本当に優秀かどうかはわからないともいえますが。
日本では「努力の過程」が評価されることが多いでしょう。
しかし、同じ努力をしても、身を置く環境によって報われる結果は異なります。むしろ世界は不公平につくられていると考えたほうがいい。ビジネスが上手い国で楽をして稼いでいる人はたくさんいます。
さらにいえば、アメリカが今後、世界の「トップ」でなくなれば、ほかの国へ行くという選択肢も柔軟にもっておく必要があるということです。
更新:11月24日 00:05