2019年04月17日 公開
2023年01月11日 更新
<<著書『お金の流れで読む 日本と世界の未来』(PHP新書)が15万部を突破したジム・ロジャーズ氏。
「大の親日家」を自認するロジャーズ氏が世界経済の先行きを見据えながら日本がもう一度世界経済でプレゼンスを高めるための要素を月刊誌『Voice』上にて語っている。本稿ではその一部を紹介する。>>
※本稿は月刊誌『Voice』(2019年3月号)に掲載されたジム・ロジャーズ氏のインタビュー「品質、勤勉、貯蓄こそ強みであることを忘れるな」より一部抜粋・編集したものです。
――(大野)生産性のことが話題に上りましたが、国際比較で日本人の労働時間が長すぎることが問題視されています。
【ロジャーズ】私が初めて日本を訪れたのは、1980年代のことです。1970年代から日本に投資をしていましたが、80年代に初めて足を踏み入れたのです。そのときの印象は、いまでも覚えています。「日本人は絶えず働いている」と思ったのです。
私がどんな要望を出しても、日本人の返答は必ず「はい」だった。「それはできない」と否定する前に、やります、できます、と答えてくれる。これは、世界基準で考えたら信じられないことなのです。
中国を初めて訪れたときは、逆にどんな要望をいっても「ノー。それはできない」といわれたものです。閉庁時間に税関に行くと、アメリカなら「今日はもう終わり。明日また来なさい」といわれる。
そこを日本では、「どうぞ」といって対応してくれる。
私の場合、無料ではなく追加料金がかかったが、それでもアメリカのように追い返されるということはありません。すべて「はい」で対応してくれます。皆が一生懸命働き、だからこそすべてがうまく機能しています。
日本の百貨店は、閉店時刻になっても「ゆっくり買い物を続けてください」といってくれる。これが他の国だったら、「閉店時刻になりました。従業員は家に帰ります」でおしまいでしょう。
こうした働くことへの真摯な姿勢は、世界中の成功している起業家が皆もっているものです。「実行し、そして成功させる」という姿勢です。
更新:11月23日 00:05