2018年11月08日 公開
2023年07月12日 更新
――政策の争点として、野党が自民党に対抗できる余地があるとすればどこでしょうか。
橋下 自民党は歴史や伝統を重んじることを強調し「古き良き日本」を守る道を示しています。ならば野党は「未来志向」の方向性を徹底的に打ち出すべきです。
二大政党制を前提とするならば、野党は自らの信条・価値観に固執するのではなく、与党自民党とは異なる選択肢を国民に示すことが使命です。
そして自民党との差別化を図れるホットなテーマといえば、たとえば選択的夫婦別姓や事実婚の容認、同性婚をはじめとするLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)への理解促進も1つでしょう。
LGBTへの理解を深める姿勢を示したからといって、国民の支持が集まるかどうかはわかりませんが、政権与党とは別の選択肢を提示することが大事なんです。
経済や外交・安保政策で自民党を支持している人でも、旧来的な自民党の価値観には賛同できない場合もあるでしょう。そのときに自民党と異なる選択肢が存在することが日本のためになるんです。
LGBTについて2つの選択肢があるなかで、一方が選ばれたのであれば、それが国民の選択だとして進めることができます。しかし選択肢がないなかで、自民党が選ばれたとしても、それはLGBTについての自民党の考えが選択されたかどうかはわかりません。
とにかく与野党で異なる選択肢を用意することが、選挙における国民の選択を通じて日本を前に進めることに繋がるのです。
※本稿は『Voice』2018年12月号、橋下徹氏の「野党よ、国民の声を聞け」を一部抜粋、編集したものです。
更新:12月04日 00:05