2021年04月21日 公開
2022年10月06日 更新
――田中社長は日本テレビで箱根駅伝やプロ野球の中継に携わり、その後スカパーでJリーグ全試合中継を実現しました。著書『準備せよ。』(文藝春秋)でもその「フィロソフィー」を提起していますが、WOWOWがめざすスポーツ中継の在り方について教えてください。
【田中】今年は18年ぶりに「UEFAチャンピオンズリーグ」の放送権を得て、決勝トーナメントを2月17日から独占生中継しています。もちろん加入者の増加も期待していますが、「WOWOWが携わったからこそチャンピオンズリーグの価値が高まった」と評価されるような活動をしたい。
私が『準備せよ。』で訴えたかったことの一つは、放送権を獲得した者はそのスポーツ文化の成長に貢献する責任がある、ということでした。テクニカルな実況や解説の質を高めることはもとより、世の中のスポーツに対する熱量をより盛り上げていくつもりです。
――今年7月より開催予定の東京オリンピック・パラリンピックの状況は現時点(4月上旬)では不透明ですが、どのような祭典を望みますか。
【田中】最終的にどうなるかはわかりませんが、やるべき手は最後まで尽くし、開催への道筋を模索していただきたい。いま実際に、関係者があらゆる可能性を探って奔走していると思います。
WOWOWは、リオ五輪・パラリンピックが開催された2016年から、パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ『WHO IAM』を放送してきました。
エンタメやスポーツが社会の多様性や寛容さに寄与するとお話ししましたが、パラリンピックはその象徴といえます。身体の不自由な方に思いを巡らす想像力や、多様性と公正さを尊重する意識は、健全な社会にとって必須です。
将来を担う子供たちにこそ、その重要性を伝えていかなければならない。その意味でも、五輪・パラリンピックが果たす役割はきわめて大きい。WOWOWはスポーツのみならず、あらゆるコンテンツを通して、日本のエンタメ文化をプロデュースしていくつもりです。
更新:11月23日 00:05