2021年03月03日 公開
2022年10月17日 更新
――社会が成熟して多様性が必要だというわりに、一人ひとりの趣味嗜好に合ったサービスを提供できないような規制、不寛容や同調圧力が目につきます。
【坂上】なんでそんなに簡単に人の嗜好品を奪えるんだろうって、不思議でならないんです。
愛煙家は居心地の悪い思いを我慢して喫煙所で吸い、たばこメーカーも加熱式たばこや煙の少ないたばこを開発して分煙環境の整備に協力するなど、コストをかけて努力を重ねている。なのに、世間は「とにかく規制を強化しろ」の一本槍ですから。
たばこ規制に賛成しているあなたの嗜好を問答無用で禁止され排除されても「はい、そうですか」と従うんですか。そういう社会って怖くないですか。嫌じゃないですか、って。
緊急事態宣言が発出されたら「自粛警察」みたいな人たちが出てきて、権限もないのに営業中のお店や利用者を叩きまくっている。ここまでくると、不寛容や同調圧力を超えて、排除の思想に近い。
一つでも気に食わないところを見つけて、とにかく排除してやろう、みたいな空気が世に蔓延しているのが怖いですね。
――自分の嗜好を大切にし、選択の自由を守ることは譲ってはいけない一線ですね。
【坂上】人生を他人に委ねるようなものですからね。ある大御所脚本家の先生は、70歳を過ぎても日にたばこを100本近く吸い、「意志が強い人間がたばこをやめられるというのは見当が違う。意志が弱いからたばこをやめてしまうんだよ」とおっしゃっていました。
今世紀最高の名言と受け止め、深く心に刻んでいます。
更新:11月22日 00:05