Voice » 政治・外交 » テレ朝アナ・小松靖「コロナ報道はもう少し抑制的であるべきだった」

テレ朝アナ・小松靖「コロナ報道はもう少し抑制的であるべきだった」

2020年11月13日 公開

小松靖(テレビ朝日アナウンサー)

テレビには国民の利益となる報道をする責務がある

――今年10月5日より、「スーパーJチャンネル(平日16時40分~18時45分、テレビ朝日系)」のメインキャスターに就任しました。どのような報道姿勢で臨まれるのでしょうか。

【小松】われわれが発信したいものではなく、できるだけ視聴者が求めるニュースを届けていくつもりです。ネットメディアの台頭により、いまや誰もがいつでも情報を収集・発信できる時代になりました。そのなかでニュースの価値を決めるのはマスメディアではなく、視聴者自身でしょう。

もちろん、大災害や緊急のニュースは取り上げるとして、それ以外のアジェンダ(議題)を設定する際は、視聴者のニーズに寄り添うことが不可欠です。潜在的な需要を含めてつねにアンテナを張り、見極めていかなければいけません。

――現代は媒体が多様化していますが、それでもテレビの情報に頼る人は少なくないでしょう。

【小松】2019年における日本の広告費でネットがテレビを初めて抜いたように、いまや訴求力の面ではネットが上回っているかもしれない。一方でテレビには、電波によって全国のあらゆる世代の国民にリーチする力があります。

放送局はその貴重な権利を授かっている以上、国民の利益となる報道をする責務があります。そして視聴者から「選ばれる」番組をつくるには、信頼を得ることが何よりも重要です。信頼はお金で買えないし、一朝一夕に築けるものでもない。

番組としての報道姿勢、キャスターとしての発言や態度、どのニュースを選ぶかのセンス、これらすべての地道な積み重ねが必要です。これまでの経験や教訓を活かしつつ、視聴者になるべく多くの視点を提供していきたいと思います。

Voice 購入

2024年12月

Voice 2024年12月

発売日:2024年11月06日
価格(税込):880円

関連記事

編集部のおすすめ

「メディアは“何が前進したのか”を明らかにすべき」 コロナ対応に当たる千葉市長の訴え

熊谷俊人(千葉市長)

「大阪都構想」消滅…勝敗を分けたメディアの“反対派記事”攻勢

竹内謙礼