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完全に行き詰まった中国経済…世界から敵視される“不法と無法な行動”

2020年09月01日 公開
2022年11月02日 更新

日高義樹(ハドソン研究所首席研究員)

 

世界の基本ルールに反した習近平

アメリカの場合は中国や世界とはやや異なっている。アメリカも航空業や観光産業、レストランやホテルが、日銭に頼りながら仕事をするための資金や設備のための費用が増えてしまっているというのは同じである。

しかしながら、アメリカはトランプ大統領が登場して以来、減税や規制の撤廃、技術開発への援助などによって経済活動力を活性化しており、しかも強いドルという立場を維持していることから、世界からの資金を集め易くなっている。この結果、ほかの国と比べればウィルス騒ぎからの経済の回復が易しい。

世界経済の現状と見通しを考えるにあたって、もっとも留意すべき重要な問題は、これまで10年以上、世界中に安い物や安い資本を提供してきた中国が、不法行為の結果、行き詰まりになってしまい、世界経済を動かす力を失ってしまっていることである。

世界はコロナウィルス騒ぎの次の段階に入ろうとしている。この事実に間違いはない。しかしながらそれはコロナウィルスから逃れるというだけのことではない。

コロナウィルスによって打撃を受けた経済活動を如何にして回復するか、ということが何よりも重要である。世界各国の指導者がはっきりと認識しなければならないことは、いまや世界の敵はコロナウィルスではない。中国である、ということだ。

中国が不法で無法な行動を続ける限り、世界経済は縮小する。中国の習近平がこの点について正しく認識をしていないために、香港に対して安全保障基本法の設定などという悪事を続けている。

習近平は政治的な力を中国国民に見せつけようとしているが、こうした習近平の行動は、イギリスとの約束を破ったというだけでなく、世界の基本的なルールに違反しており、中国の力そのものを弱めてしまう。

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