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第六代統合幕僚長・山崎幸二「隊員がいるから日本の平和を守れる」

2020年06月17日 公開
2024年12月16日 更新

山崎幸二(第六代統合幕僚長)

山崎幸二(第六代統合幕僚長・写真提供:防衛省)
(写真提供:防衛省)

《新型コロナウイルスへの対応では医療従事者に加え、自衛隊の活躍も忘れてはならない。

自衛隊は平時から我が国の国防のみならず、世界の平和と安全に貢献している。制服組トップである山崎幸二統合幕僚長が、国際協力に携わる自衛隊の活動、そして自らの「原点」を語る(聞き手:『Voice』編集部・中西史也)》

※本稿は月刊誌『Voice』2020年7月号、山崎幸二氏の「『未知なる脅威』から国民を守る」より一部抜粋・編集したものです。

 

日本独自の国際協力で世界の平和に寄与

――「令和の時代に相応しい自衛隊」として統合運用態勢の強化を掲げていますが、日本の平和と安全を守るために、自衛隊をどのようにアップデートしていくのでしょうか。

(山崎)第一に、わが国を取り巻く安全保障環境は、厳しさを増しています。従来の陸・海・空の領域に加え、宇宙・サイバー・電磁波といった新領域における脅威が顕在化しています。

環境の変化に真正面から向き合い、わが国を防衛するため、防衛計画の大綱に示す「多次元統合防衛力」の構築に取り組んでいきます。

第二に、現在国家間の相互依存関係は拡大深化しており、どの国も一国で自らの平和と安全を維持することはできません。

わが国の掲げる国際協調主義に基づく「積極的平和主義」及び「自由で開かれたインド太平洋」ビジョンの下、これまで以上に法と秩序に基づくより安定した安全保障環境をつくるため、積極的に活動していく必要があります。

これらの環境の変化に的確に対応し、わが国自身の防衛努力を基本として、必要な能力の向上に努め、わが国の安全保障の基軸である日米同盟の強化を図ることが必要です。将来にわたり自衛隊の使命を果たすため、統合運用態勢のさらなる強化を図っていく考えです。

――中東地域における平和と安定及び日本関連船舶の安全確保のため、同地域に護衛艦「たかなみ」を派遣しています。自衛隊は、日本国民のみならず、世界の平和と安全にどう貢献していくのでしょうか。

(山崎)自衛隊は中東地域だけでなく、国連事務局へ自衛官を、エチオピアなどのPKO(国連平和維持活動)訓練センターへは講師を派遣しています。

また、アフリカやアジア及び同周辺地域において、PKO要員として教育が必要な各国の施設要員に対し「三角パートナーシップ・プロジェクト(国連と支援提供国の協力により、国連PKO・要員派遣国の要員の能力向上を支援する試み)」を推進しています。

自衛隊はこれまで、ケニア、ベトナム等において施設要員に対する訓練を実施するとともに、国連からの依頼による国連PKO工兵部隊マニュアルの策定や改訂にも取り組んでいます。

さらに自然災害への対処に関しては、これまでの災害派遣活動で得た教訓を、各国との防衛交流の機会を活用して積極的に情報共有しています。

このように自衛隊としては、任務や活動を通じて培った経験や知見を活かし、日本独自の国際協力の在り方を主体的に追求・実施することで、世界の平和と安定に貢献していく所存です。

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