2020年03月28日 公開
2022年11月02日 更新
2019年10月に、10年国債の金利はマイナス0.2%になった。これが何を意味しているかわかるだろうか。
簡単な例で考えてみる。まずプラス金利の場合。国債を発行してお金を調達すると、金利分を加えて返済しなければいけない。
例えば、10年国債の金利がプラス0.2%だとすると、1兆円調達した場合には、毎年1兆円×0.2%=20億円ずつ金利を支払う。10年間で200億円の金利を支払う。そして10年後に1兆円を返す。
マイナス金利の場合はどうなるのか。
マイナス金利というのは、金利分が手元に入ってくるということだ。マイナス0.2%の場合は10年間でマイナス2%になる。
国債を額面1兆円発行したときに、手元には1兆200億円が入ってくる。その後の利払いはゼロ。そして、10年後に1兆円を返す。
マイナス0.2%の金利のおかげで、手元に200億円の収入金が入ってきてしまう。無為無策をするのなら、1兆円は使わずに保管しておいて、10年後に1兆円を返却すればいい。
国債を発行することによって、労せずして国は200億円が儲かってしまうわけである。
何も考えずただ国債を発行するだけ。こんなことは、バカでもできる。ところが、財務省はやろうとしない。筆者から見れば、バカ以下だ。
財務省がこんな簡単なことをやらないのは、これまで「国債は将来世代に負担を残す」と言い続けてきたからだ。国債で利益が出ることがわかってしまうと、彼らの主張がウソだったことがバレてしまう。
「国債を出したほうが儲かる」なんてことは、彼らにとっては、天地がひっくり返るようなことなのだ。
更新:11月24日 00:05