2020年01月29日 公開
2020年01月29日 更新
写真:吉田和本
アートといっても、彼女が手掛ける絵は平板ではない。
ペンを使って360度の空間に絵を創り出し、ゴーグルを装着することで、仮想現実を体験させるのが「VRアート」だ。現実の空間の中に、立体の「絵」が浮かび上がるその光景は、「描く」というよりも「創る」アートだといえる。
「世界初」のVRアーティストとして活躍する、せきぐちあいみさんに話を聞いた。
※本稿は月刊誌『Voice』2020年2月号、せきぐちあいみ氏の「VRは別の世界を生み出せる“魔法”」より一部抜粋・編集したものです。
取材・文:Voice編集部(中西史也)
せきぐちあいみさんは、VR作品の制作やライブペインティングのステージ公演を行なう、「世界初」のVRアーティストだ。
そもそもVRとは、バーチャルリアリティ(仮想現実)の略称で、コンピュータがつくった世界を現実のように体感できる空間のことである。専用のゴーグルをかけることで、誰もが別世界を楽しむことができる。
もともとはタレントとして、芝居やダンスを生業としていたせきぐちさん。YouTubeへの動画投稿で3Dペンを使ったことをきっかけに、立体に絵を描く楽しさにはまっていく。
「VR元年」と呼ばれた2016年から、VRアーティストとして本格的に活動を始めた。VRの魅力について、「360度の空間に絵を創りだすことができる。まるで“魔法”を使っているかのよう」と語る。
VRアートの先駆者として活躍するせきぐちさんだが、その普及にも余念がない。
「VRは難しくてとっつきにくいイメージをもたれるけれど、実際の操作は単純で、子供や高齢者でも楽しめる。日常生活にもっと溶け込む可能性を秘めていることを、多くの人に知ってもらいたい」。
実際に制作の様子を見ると、VRでは際限なく空間が広がり、ものすごいスピードで「せきぐちワールド」が創り出されていく。その光景は、彼女の言葉を借りれば、まさに「神様の真似事」のようだった。
更新:11月22日 00:05