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囲碁とビジネスの懸け橋に

2020年01月10日 公開
2020年01月29日 更新

長井多葉紗(囲碁インストラクター/人事コンサルタント)

長井多葉紗写真:キムラタカヒロ 取材・文:Voice編集部(中西史也)


囲碁インストラクターと人事コンサルタントの二足の草鞋を履きながら活動する長井多葉紗さん。

彼女は小学生のときに囲碁と出合い、プロ棋士をめざして13歳で日本棋院の院生になった。しかしなかなか成績は上がらず、17歳のときにプロ棋士を断念。

だが、その後も囲碁は続け、慶應義塾大学時代には囲碁部女子部主将として、全国大会準優勝を果たした。

大学卒業後は大手印刷会社や人材系ベンチャー企業で勤めたのち、囲碁とビジネスの懸け橋となるべく、2015年にフリーランスとして独立。

現在は囲碁インストラクターの活動と同時に、フリーランスで採用広報の仕事を行なっている。

囲碁とビジネスはまったく異なる分野に思えるが、「局面を俯瞰して視ながら判断しなければいけない意味で、囲碁と経営は似ている」(長井さん)と、その共通点を語る。

企業の研修の講師として登壇し、囲碁の思考法をビジネスに生かすやり方を講演することもあるという。

長井さんは囲碁インストラクターとして会員制サロンで教えるほか、「囲碁将棋チャンネル(CS放送)」の番組司会も務めるなど、囲碁の普及を行なっている。

「囲碁人口が減っているなか、仲邑菫(なかむらすみれ)さん(史上最年少の10歳でプロ棋士入り)や上野愛咲美さん(一般棋戦で女性の最高位である準優勝を達成)が活躍していて、「囲碁ブーム」の兆しはある。一般企業との繋がりがある私だからこそ、この盛り上がりを伝えられる部分があると思う」(長井さん)。

他人の囲碁を見ていると対局者よりも冷静に手が読めることを傍目八目(おかめはちもく)という。物事を第三者的に捉える大局観は、現代のビジネスマンに必要な能力といえる。

そして「教養としての囲碁」が人口に膾炙(かいしや)すれば、「囲碁ブーム」に対する見方も変わってくるだろう。

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