2020年01月28日 公開
2023年04月17日 更新
新型コロナウイルスの影響も懸念されるなか、春節(中華圏の旧正月)を迎え、多くの中国人が日本を訪れる。かつてほどではないものの、「爆買い」ブームは依然続いている。
近年では、風光明媚を求め地方に足を運ぶ者も少なくない。そこで問題になっているのが、「観光ガイド不足」だ。中国語が堪能で、日本にも詳しいガイドが圧倒的に足りていない。はたして、各旅行会社はどう運営しているのだろうか。
新著『ルポ デジタルチャイナ体験記』(PHPビジネス新書)発刊を控える⻄⾕格⽒は、中国滞在経験を活かして「ガイド不⾜問題」を調査。本稿では、ツアーガイド体験の様⼦を潜⼊レポートする。
※本稿は、2018年3月に発刊された『ルポ 中国「潜入バイト」日記』 (小学館新書)』の内容を抜粋・編集したものです。
中国の旧正月「春節」になると、街中に中国人が増える。特に目立つのが、観光客の集団だ。中国人の爆買いブームは2014年頃から発生し、当時私は中国現地で旅行代理店などを取材していた。
すごいことになっていると話には聞いていたが、実際に東京で暮らして目の当たりにすると、その勢いや人数に改めて圧倒された。
特に銀座の歩行者天国は、日本人より中国人の方が多いのではないかという状態になっており、あの敷居の高かった銀座の街がこんなことになるとは、と街の変貌ぶりに驚いた。
銀座の目抜き通りで大量のスーツケースを転がす集団が道をふさいだり、道端にしゃがみこんだりしている姿を見かけると、「ああマナー悪いな、嫌だな」と思ったりもした。
そんな中国人観光客を"彼らの側"から見たらどう見えるのか。ツアーガイドとして彼らを引率し、密着してみたい。
とりあえずネットで「中国人観光客 ガイド なるには」などのキーワードで検索したところ、なかなかハードルが高いことが分かった。
・外国人をガイドするためには「通訳案内士」という国家資格が必要だが、かなりの難関で、試験は年に1回しかない。
・さらに、日本国内で旅行ガイドをするには、「旅程管理主任者」という国家資格も必要。こちらは専門学校や旅行会社が実施する5日間ほどの短期講座を受けた上で、実務経験を1回以上経れば取得できる。
・爆買いツアーでは、無資格ガイドも横行している。
ということが判明。中国にいた時のように、どこかの会社にいきなり電話して即面接、即実戦という訳にはいかないようだ。
更新:11月22日 00:05