2020年01月06日 公開
2022年10月27日 更新
アメリカの対中国問題を考える際、ファーウェイの事案も絡んでくる。
ファーウェイの孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)が逮捕されたが、これはアメリカの対イラン制裁と大きく関係している。孟氏の起訴事実は、対イラン制裁に違反し、イランへ売ってはいけない技術を売ったという不正取引などである。これは、イランへの制裁に反する行為にほかならない。
現在、ファーウェイに対する規制は、EAR(米国輸出管理規則)に基づくものしかない。しかし、将来はファーウェイや孟晩舟副会長ら関係者をSDNリスト(経済制裁の対象となる人や法人のリスト)に入れ、アメリカ企業との取引を禁じることも視野に入れている。
アメリカとしては「いつでも金融制裁はかけられる」というカードを持っているわけで、近い将来、その切り札を出してくる可能性があることは覚えておくべきであろう。
アメリカはもともと、自らの外交政策に反する活動を行なっていたファーウェイを叩き潰すことを考えていたのは明らかである。
そのためには、ファーウェイに金融制裁をかけて海外経由の決済を不能にすればいい。そうすればファーウェイにCPUを売る企業はなくなり、ファーウェイから製品を買ったとしても、代金の振込口座がなくなるから取引自体ができない。まさに打つ手なしである。
アメリカの一連の動きを見ていると、そうした最終的な手段が決して脅しではないことは確かである。今後のイランに対する中国企業の出方次第では、アメリカによる厳しい制裁が現実味を帯びてくるだろう。
更新:11月22日 00:05