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河野克俊&村田晃嗣 「専守防衛を再考せよ」

2019年11月16日 公開
2022年07月08日 更新

河野克俊(第五代統合幕僚長)&村田晃嗣(同志社大学法学部教授)

トランプ大統領の発言に狼狽してはいけない

村田晃嗣

【河野】 万が一戦闘になった場合、戦術的に専守防衛で自衛隊の行動を縛ることは、かえって国民を危険に晒しかねない。ただ、日本は戦略的には専守防衛であるべきだと考えています。両者を切り分ける必要がある。

大方針として専守防衛は堅持するけれども、その運用を再考し、日本国民を守るためにあらゆる選択肢を検討する方向にもっていくべきだと思います。

【村田】 おっしゃるとおり、最終的にはわれわれの覚悟が問われますね。

わが国が、アメリカに一定の発言力をもち、中国やロシアをある程度牽制できる力を保ち、大国としてのステータスを維持しながら生きていこうとするのか。それとも、大国間のパワーポリティクスから身を引いて、小国としてじり貧ながらも幸せに暮らしていくのか。

日米同盟は、日本が小国としてそれなりに生きていくなら必要ないかもしれない。しかし、いまの生活水準と影響力を保ち、大国として生き残るためには必須です。

トランプ大統領の発言にただ狼狽するだけではいけない。どうすれば日米同盟を維持できるのかについて、日本の防衛負担も含め、粘り強く考えるべきでしょう。

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