2019年04月01日 公開
2022年06月09日 更新
近年、金融庁が危惧の念を強めてきた地域銀行問題の根幹は、「持続可能なビジネスモデルの構築」という金融庁の言葉でも分かるように、現在のビジネスモデルは持続可能であるとは言えないという部分にある。
なかでも、人口減少テンポが加速し、しかも、長崎県のように地域銀行が複数存在しているような地域では、結局、このままでは地域銀行が共倒れしかねないという危機感が金融庁にはあると言える。
したがって、地域銀行の経営統合でこの懸念を解消するという発想が強まったのがこの数年の経緯だった。長期的な視点からの金融システムへの不安の解消という意味では妥当な模索である。
しかし、別の見方もできる。結局、経営統合では、地域銀行の地域密着はいよいよ困難化して、地域サービスは先細りながらの存続とならざるをえないという考え方である。
最悪の場合には、地域銀行の経営統合が地域経済の疲弊に拍車をかける可能性すら否定できないということになる。
経営統合を実現して以後、十八銀行はFFG傘下の親和銀行との合併が予定されている。それによって、いよいよ、さまざまなカルチャー、方針はFFGのカラーに塗り替えられるに違いない。
十八銀行よりも、FFGのほうがはるかに効率的な経営となっていることからすると、十八銀行も早晩、効率化の速度が高まってくるだろう。それと地域サービスの質、水準の維持を両立させられるのかどうかが問題といえる。
更新:11月22日 00:05