2019年03月20日 公開
2022年05月31日 更新
【中田】 それでは、プロ以外は手を出さないほうがいいのでしょうか。
【ロジャーズ】 いえ、そんなことはありません。私はいま「簡単ではない」とのみ申し上げました。逆に考えれば、しっかりと道筋をたてて取り組めば誰にでも成果を得られるチャンスはあります。
【中田】 僕は『労働2.0』で自分で事業を始める選択肢の重要性を強調しました。日本のビジネスパーソンは、会社の方針に対して意見や提案がありながら飲み込んでいる方が少なくない。ならば「自分がしたいこと」を実現するために、自らアクションを起こせばいいと思うのです。
投資も選択肢の一つでしょう。だからこそ、投資で成果を得るための心構えをお聞きしたい。
【ロジャーズ】 重要なのは、「自分がもっとも知っているジャンルを追求すること」です。誰しもがスポーツや車など、他の人以上に詳しい分野があるはずです。
中田さんの場合ならば、ファッションや音楽がそれに当たるでしょう。あなたはおそらく、毎日のようにファッションの最新情報をキャッチしているはず。ならば、仮にファッション業界を投資先と想定した場合、私よりも中田さんのほうが早く潮流を掴むのは間違いない。
中田さんがファッションの世界で「あっ、この企業の取り組みは面白いかもしれない」と感じたならば、徹底的にリサーチすることをお勧めします。プロジェクトには誰が関わっているか。お金はどのように流れているか。あらゆることを調べつくすのです。
【中田】 そうして手に入れた情報をもとに、投資すべきか否を判断するのですね。しかも現在はインターネットがありますから、昔より簡単にリサーチできます。
いまのジムさんのお話は、日本流にいえば「好きこそものの上手なれ」ですね。投資でもそんなシンプルな法則が重要だとは思ってもいませんでした。
【ロジャーズ】 それだけ、アンテナを立てることが重要だということです。そして同時に難しいとも言える。
また、ファッションの情報を追いかけ続ければ、売り時についても間違えないはずです。後から『THE WALL STREET JOURNAL』や他の投資家が騒ぎ立てて株価がつり上がったとしても、タイミングを逃さずに、然るべきときに株を売れているでしょう。
更新:11月24日 00:05