2019年03月20日 公開
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米朝関係改善への道に横たわるのは核問題だけではない。北朝鮮が国を挙げて行うサイバーテロとは何なのか。国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネル元委員の古川勝久氏が、北朝鮮が行なう犯罪行為の実態を暴く。
※本稿は『Voice』4月号、古川勝久氏の「進まない非核化と『トランプ劇場』」を一部抜粋、編集したものです。
2月の米朝首脳再会談で、ポンペオ米国務長官の交渉相手を務めたのは、金英哲朝鮮労働党副委員長である。彼はかつて朝鮮人民軍の偵察総局を指揮していた。
偵察総局は、北朝鮮の主要なインテリジェンス機関として、2016年3月に国連制裁対象に指定された。その任務は多岐にわたる。
近年、この組織が主導する数々の非合法活動が、国連制裁レジームのなかで深刻な問題となっている。
偵察総局は、前述の武器密輸企業「青松連合」を傘下に置いて、中東やアフリカ、アジア等で武器密輸を展開してきた。紛争地域に介入する中核団体の1つである。
また偵察総局は、世界各地で秘密裏に情報収集活動を展開し、数々の金融犯罪も主導している。資金洗浄目的でフロント企業を世界各地に設立し、北朝鮮のために「秘密の金融ネットワーク」の構築を図ってきた。金融犯罪でも重要な役割を果たしている。
更新:11月22日 00:05