2019年03月05日 公開
2019年03月05日 更新
IT分野に関していえば、ソニーのPlayStationなどのサブスクリプション型のゲーム機のビジネスモデルは、これからの事業の仕組みづくりを考える上で、じつに参考になります。
PlayStation4からネットワークに接続すると、月額数百円が課金される。接続先のプラットフォーム上で遊べるゲーム(ソフトウェア)に価値があり、本体(ハード)を売ったら終わりというモデルではありません。
こうしたモデルは他の分野でも適用できるでしょう。たとえば新聞業界なら、ニュースというソフトウェアをつねに更新することで、ハードとしての紙の価値を保つようなモデルは考えられないか。
すでに3Dプリンターの世界では、設計データを随時更新するためにユーザーから大量のデータを集めています。
そうやって集めたデータを基に、新たに個々のニーズに応じた入れ歯をつくったり、補聴器の個人に合わせた最適な製造ができたりするようになっている事例もあります。
このようにソフトウェアに価値を寄せることで、ハードとしての価値を上げることも可能となります。
言い換えれば、さまざまなお客のデータを自社サイドにどんどん蓄積していくことで、他社にはない強みを発揮できるようになるということです。
多様な個別生産品の価値の本質は、取りためたデータにありますが、そのデータを自社のものとして囲い込み、サービスや品質向上に活用することで、生産品の価値が保持されるのが、現在の市場の興味深い現象だと思います。
ハードをカスタマイズしながらブランド構築するためのソフトウェアソリューションにその解決の糸口があるのではないかと僕は信じています。
更新:11月26日 00:05