2019年01月21日 公開
2019年01月21日 更新
欧米のみならず中国やアジアでもライドシェアが急速に社会実装されている状況下、日本は完全に「ライドシェア後進国」の状況にある。
少子高齢化や人口減少によって構造的な人手不足が深刻化しているなかで、タクシー業界は人手確保がより困難になってきていることも、ライドシェア導入を阻止する理由に使われている。
もっとも、5年単位くらいで自動運転の商用化が拡大してくると、人が運転するタクシーではなく、自動運転タクシーがより一般化してくるものと予想される。
また海外でライドシェアが一般化してきているなかで、日本でも2020年東京五輪のタイミングにおいては、一定の条件下で部分的にライドシェアが認められる可能性も小さくない。
自動運転の流れは、ライドシェアの動きとも相俟って、タクシー業界に大きな影響を与えるのは確実だろう。
モビリティー産業全体について述べると、将来的には、ライドシェアの対象範囲には、自動運転車のみならずオートバイや自転車なども含まれてくることも予想される。
むしろ、自転車シェアリングなど、より小さな乗り物から押さえ、そこから飛行機・鉄道・バス・クルマなどすべての交通手段を統合し管理する企業が、真のトランスポーテーション・ネットワーク・カンパニーになるかもしれないのだ。
これが現在、MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス、サービスとしてのモビリティー)と呼ばれて、鉄道会社・通信会社・自動車会社などが準備を進めている動きなのである。
自動運転やライドシェアは、次世代自動車産業における競争のポイントだが、手段であって目的ではない。社会的問題と対峙し、新たな価値を提供することが最も重要だ。
日本で解決していかなければいけない課題としては、少子高齢化や人口減少、そして労働者不足、過疎の問題が挙げられる。
自動運転などCASE(つながる・自動化・サービス&シェアリング・電動化)全般を、そういった問題を解決するという方向性で官民挙げて推し進めていくことこそが、「社会問題先進国」日本の活路になるのではないだろうか。
更新:11月22日 00:05