2018年10月16日 公開
2019年01月09日 更新
――そう考えると、近年、成功を収めているのはスピード感を持ってチャレンジした企業や人物ばかりです。
落合 実際、ホリエモン(堀江貴文氏)の「起業しろよ」という言葉を真に受けて、すぐに起業するような人たちがビジネスでは大きな成果を上げている。若くて熱量のある人が得するし、結果を残しやすい時代だといえます。これは非常に逆説的で、前提となる知識量が少ないからこそ、深く検討せずにすぐに始めて、ものごとに柔軟性を持って対処できてしまうのですが、結果的にいまの時代、これは非常に価値のある特性になる。ただし、ひと昔前であればこうはいかなかったでしょう。
――いまと昔では、どのように時代の特性が異なるのでしょうか。
落合 これまでは一度事業に失敗すれば与信の低下やブラックリストに載るなどして金融機関からの資金調達が容易に行えないため、再チャレンジは難しく借金を抱え路頭に迷ったりしていたでしょう。しかし、現在ではクラウドファンディングやベンチャーキャピタル、仮想通貨など資金調達する手段はいくらでもあるから再チャレンジすることが可能です。また、現代ではSNSなど情報伝達手段が劇的に増えたため、誰にも価値を残さずに失敗することは極めて稀といえるでしょう。
――むしろ、世のなかに何の影響も与えずに消えていくほうが難しいかもしれません。
落合 さらに、果敢にチャレンジをした上での失敗であれば、「グッドトライ」「時代が早すぎたね」と、周りの人が認めてくれるかもしれない。そんな雰囲気が、ようやく日本にも醸成されつつあります。だから、身構えて手を動かさない人が最も損をするし、時代にも置いていかれるのです。いまやSNSにせよ、YouTubeにせよ、何かおもしろいことを広めるコストはほぼゼロで、スマートフォン1つあれば可能です。多くの人が、積極的にトライして、多様な発信を個人が行っていく社会になれば、日本の未来はより明るくなるはずです。
更新:11月23日 00:05