2018年10月16日 公開
2019年01月09日 更新
今年6月に上梓した『デジタルネイチャー』(PLANETS)が話題を呼ぶなど、ますます注目を集めるメディアアーティスト・落合陽一氏。そんな落合氏が考える、これからの日本社会に求められる人材とは。
――落合さんは、発売中の『Voice』11月号の巻頭インタビューで「スピードこそが社会にイノベーションを起こす重要な条件」とお話しされています。それを踏まえると、これからの時代に求められるのはどのような人材なのでしょうか。
落合 あえて誤解を招きかねない言葉を使うなら、「アホ」と「バカ」ではないでしょうか。彼らは「じっくりと検討し、周到に勉強してから始める」という慎重さの代わりに、「深く考えずに、まずチャレンジする」という特性を持っています。情報が氾濫し、時代の流れが劇的に速くなっている今、何よりも優先すべきはスピードであり、より分かりやすくいえば「すぐに手を動かす」ことに他なりません。
――彼らは自然とそれを実行しているわけですね。
落合 実は対照的なのが多くの大企業です。1つのプロジェクトを社内で何度も会議にかけ、無事に稟議が通ったとしても実行までに時間がかかるケースも少なくない。下手をすれば、一度決まったものが撤回されて、最終的に実行されないこともあるかもしれません。会議で「それだと、うちらしさがないよね」という発言が出たら、危険信号でしょう。そうした発言は過去の遺産にこだわり、急速な時代の変化についていけていない証拠とも言えるでしょう。。
――落合さんは同前のインタビューで、そうした大企業を「低速企業」、そして意志決定をスムーズに行なえる中小企業を「高速企業」という呼び方に改めるべき、と提言されています。
落合 そもそも、「大企業」「中小企業」という分類自体が、資本金の額や従業員の数によるものにすぎず、生産性や利益の多寡は関係ありません。もちろん、規模の大きな企業は人数もコストもかけている分、往々にして生産するプロダクトに信頼性が担保されるという強みがあります。しかし、これからはスピード感がなければ取り残されてしまう時代。ですから高速企業はそんな低速企業の意志決定の遅さを補完するくらいの気持ちで、スピード感を持って何ごとにもチャレンジすべきだと思います。
更新:11月23日 00:05