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「初任給40万」中国企業が日本の学生をかっさらう

2018年09月23日 公開
2019年04月03日 更新

近藤大介(『週刊現代』編集次長)

池袋北口一帯は「東京の中華街」

また、2018年7月には、ソフトバンクが、配車アプリ世界最大手の滴滴出行とDiDiモビリティジャパンを設立し、秋以降日本の主要都市でサービスを開始する。

滴滴出行は2012年に北京で創業した配車アプリ会社で、2018年現在、中国国内で4億5000万人以上の顧客を抱えている。

日本においても、すでに羽田空港を始め、各空港などに進出し、多くの中国人観光客を運んでいる。これは日本では白タクの違法行為だが、友人知人が空港に車で迎えに来たのと区別がつかないため、なかなか取り締まりにくい。その間にも、「赤信号みんなで渡れば恐くない」とばかりに、日本各地で浸透しつつある。

それを今後は、日本のタクシー会社と提携することで、合法的に進出しようというのである。スマホを使った配車システムでは、中国側はすでに膨大なビッグデータを蓄積しており、「中国が主で日本が従」という関係にならざるを得ない。

シェアサイクル中国最大手のモバイク(摩拝単車)も、すでに札幌で試験運営を始めた。今後は、日本全国のコンビニなどとマッチングしていくことが考えられる。日本には自転車文化が根づいていて、都市の交通網が整備されているため、シェアサイクルと相性がよい。

火鍋チェーン中国最大手のカイテイロウ(海底撈)も、東京・池袋に300席もある巨大店舗が上陸した。居酒屋だった店舗を2階分改装し、豪華な店舗に作り替えた。

2018年4月には、新宿・歌舞伎町の一等地に、2号店をオープンさせた。スマホが汚れないよう専用のビニール袋を客に支給したり、洗面道具を無料提供するピカピカのトイレなど、従来の中華料理店の常識を覆すサービスぶりである。

「池袋の象徴」と言われた西武百貨店を出ると、激辛火鍋の匂いが、プーンと鼻を突いてくる。きらびやかなウインドーを眺めながら、この強烈な匂いを嗅ぐたびに、中国企業の日本進出を象徴するようだと感じる。

ちなみに、西武百貨店1階の化粧品売場にも「爆買い」中国人たちが殺到している。そして池袋北口一帯は「東京の中華街」と化している。

他にも、前述のファーウェイとOPPO、世界の商業ドローン市場の7割を握るDJI(大疆創新)、世界53カ国・地域に支店を持つ中国銀行、中国最大の民泊企業の途家、中国最大のスマホ・ニュースサイト『今日頭条』を擁するバイトダンス・テクノロジー……。

世界最大の中国市場で「勝ち組」となった各業界の中国企業が、続々と日本進出を果たしているのだ。

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