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厚切りジェイソン 「意識高い系」で何が悪い

2018年04月09日 公開
2024年12月16日 更新

厚切りジェイソン(IT企業役員・お笑い芸人)

聞き手:編集部 写真:吉田和本

 

なぜ、失敗を恐れてばかりなの?

 ――「Why Japanese People!?」というフレーズでお馴染みの厚切りジェイソンさんですが、来日されたときはIT企業のビジネスパーソンだったそうですね。現在も、ITベンチャー「テラスカイ」のグローバルアライアンス部部長というもう1つの顔をおもちです。

 厚切りジェイソン(以下、ジェイソン) 初めて来日したのは2005年でしたが、そのときに「すごく生きやすいな、ここで働きたいな」と感じました。事実、こんなに暮らしやすい国はないでしょう。社会的な秩序が保たれていて、街は綺麗で犯罪も少ない。交通網も発達しているので、利便性も高い。加えて、人びとのサービス精神も抜群です。

 アメリカでは、新卒でGE(ゼネラル・エレクトリック)に入ったのですが、最初の3年間、次世代の経営層を育てるための研修を受けていました。それから「日本で働きたい」と会社の人間に話したのですが、「うちには現地法人もあるので、わざわざアメリカ人の君を送ることはない」といわれたんです。

 そこで私は、「それじゃ日本に行ける企業を見つけます」といって退社し、転職を経ていまの会社で働き始めました。

 ――日本で働きたいという希望があったにせよ、いきなり会社を辞めるとは、勇気のある決断だったのではないでしょうか。

 ジェイソン Why!? どうしてそう感じるのでしょうか? そうした考え方が、日本人の悪い癖だと思うんです。

 ――どういうことでしょうか。

 ジェイソン まず、アメリカ人は成功するために働いています。それに対して、日本人は失敗しないために働いている。私は来日して7年目ですが、日本のビジネスパーソンを見て「日本人は成功のために働いていない」と感じるときがあります。

 だから、環境を変えるという行動を「リスクを恐れない勇気ある決断」と捉えるのでしょう。でもそれは、アメリカ人からすれば成功をつかもうとする当たり前の判断です。

 以前、日本人の友人に「ジェイソン、日本の会社で出世する方法を教えてやろうか」といわれて「ぜひお願いします」と答えたところ、「まずは新卒のときに1つだけ大きな仕事にチャレンジして、それを成功させる。そのあとは何もやらない。すると、『昔あのプロジェクトを成功させた人』という印象が残り、周りの同期が落ちこぼれて自分だけ残る」。

 つまり、失敗さえしなければ出世できるというわけですね。日本人が皆、このようにチャレンジを恐れる意識だとしたら、リスクを取らないのも無理はありません。しかし少なくとも、私は「成長し続けたい」と考えています。だから、何のチャレンジもしないでじっとしているのは、ものすごいストレスです。

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「向いていない」はネガティブじゃない >

著者紹介

厚切りジェイソン(あつぎりじぇいそん)

IT企業役員・タレント

1986年、アメリカ・ミシガン州生まれ。17歳でミシガン州立大学に飛び級で入学。卒業後、イリノイ大学大学院に進み、修士課程を修了。タレントとして活動しながら、IT企業の役員も務める。著書に『ジェイソン流お金の増やし方』(ぴあ)などがある。

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発売日:2024年12月06日
価格(税込):880円

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