私はしばしば「政治が経済にできるたった一つの事は、民間の邪魔をしないこと。言い換えれば民間が経済活動をしやすい環境を作ることだけだ。だから余計なことをしないのが、唯一最大の仕事だ」と説きます。
すると「貴方は竹中平蔵みたいなことを言いますね」と茶々を入れられるので、「アダム・スミスという人の言葉ですが」と言い返すと、何も返事がありません。
ちなみに、「今みたいな不況の時は、政府は少しばかり民間の後押しをしてもよい」と考えるのが、ケインズです。
実はまともな経済学を突き詰めると、この2つの考え方に収斂されるのです。より正確に言えば、スミスの考えが基本で、不況の時はケインズのアイデアを使えばいい、くらいが本質です。
以上、高校生でも理解できる教養だと思いきや、日本国の政治家や要路者には通らない。
政治家は官僚に頭を丸投げしてしまいますし、今やそんな政治家や官僚を叱り飛ばす財界人がいないので、官僚の言いなりになっている。その肝心の官僚がこの程度の教養がない。日本の要路者のレベルの低さ、私程度の人間が頭を抱えるほどです。
それどころか、「政府は民間が成長し、貧しさから脱却できるまで責任を持って面倒を見なければならない」だとか言い出す始末。「それ、社会主義と言うのですが...」とめまいがします。
更新:11月11日 00:05