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80年代に2015年を描いた「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」から見える“不可能と可能”

2021年02月24日 公開
2022年10月18日 更新

岡田斗司夫(社会評論家)

人工知能

性格の異なる仮想人格と脳内会議を

『鉄腕アトム』みたいな人工知能は、どうでしょうか。人間の話す自然言語で普通にやり取りし、感情を持ち、自分の意志で行動する、そんな人工知能は、30年以内には登場することはまずない。

「自我」とか「意識」とは何か、どうすれば実現できるのかについて、まだ基礎的な理論も出ていない状況です。『鉄腕アトム』のような人工知能は30年以内には無理なんだけど、機械と人間の関係性が急速に進化すること自体は間違いない。

ちょっと曖昧な指示をしても、コンピュータの方で既存の処理履歴やソーシャルメディアのデータを元に補完して、それらしい応答を返すようになるのは、10年程度でも十分に実現可能でしょう。

10年後くらいには、もうスマホの「次」が見えてきているはず。もしかしたら、その本体は物理的な実体を持ったデバイスではないのかもしれない。

仮想的な人格を備えたアプリみたいなものがクラウドかどこかにあって、ユーザーの友達のように振る舞う。ピクサー映画の『インサイド・ヘッド』みたいに、性格の異なるいくつかの仮想人格と脳内会議を繰り広げるようになっているのかもしれません。 

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