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中国の脅威に対抗する一手…日本政府は安全保障でイギリスと連携せよ

2020年08月12日 公開
2022年07月07日 更新

高橋洋一(嘉悦大学教授)

 

中国に狙われるギリシャ

中国は「一帯一路」という経済圏構想を使って自らの覇権を広げようとしている。

現在、狙われているのはギリシャだ。ギリシャは先に説明したとおり財政難に陥っており、そこに中国が絶妙に接近している。

2019年11月11日、中国の習近平国家主席とギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相はアテネで合意文書に署名したが、これはギリシャ最大の港・ピレウス港の整備に関する中国側からの融資の増強に関する内容だった。

すでにピレウス港は2016年に中国に経営権を握られており、地中海の要衝でもあるピレウス港が中国により軍事転用でもされたら、ヨーロッパはもとよりロシア、北アフリカ諸国にとっても脅威となる。

EUを離脱したイギリスに対しても、中国は接近をはかるだろう。

このような中国の動きに対抗するためにも、「セキュリティ・ダイヤモンド構想」にイギリスの参加を要請するべきだ。

これは安倍首相が第2次政権を発足させた直後の2012年、日本とアメリカ(ハワイ)、オーストラリア、インドの4カ国でダイヤモンドの状のネットーワークを構築し、アジア太平洋地域の民主主義や法による統治など、共通の価値を守っていくことを提唱したものだ。

この構想の要となっているアメリカとオーストラリア、インドはみな、イギリスと歴史的に関係が深い。日本も1902年にイギリスと「日英同盟」という軍事同盟を結んだ過去がある。南シナ海の公海上にイギリスの空母が航行しても何の問題はない。

日本はイギリスがEUを離脱した今だからこそ、イギリスと自由貿易協定を結び、安全保障の協力を求めるべきである。

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