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実は希少ではない? ダイヤモンドがここまで「高価」な理由

2020年07月15日 公開
2020年07月15日 更新

ロバート・ヘイゼン(鉱物学者)

 

「分野横断」なしに新発見はできない

――現在、企業からの研究者への投資は増えているのでしょうか。

【ヘイゼン】残念なことにどんどん減っています。研究所の運営は非常にお金がかかるので、多くの企業は代わりに法務部をもっています。自社よりもいい製品を出すライバル企業が出てくると、そのスタートアップを買収するか、正当性がなくても訴訟を起こす。

新しいテクノロジーが出てくるのを防ぐために大きな法務部を抱えるのです。小さなスタートアップ企業は訴訟が何年も続くと倒産してしまう。創造性を潰すような行為が、現に頻繁に起きています。

――「分野横断」が新しい発見を生むと述べていますが、どのような分野と共同研究を進めたいですか。

【ヘイゼン】米国のスローン財団は、惑星を理解する唯一の方法は、すべての分野の人の知恵をお互いに借りることだと考えました。その結果、相互作用が起き、新発見を成し遂げたのです。以前のように各分野で研究を進めていただけでは、この発見はできなかったでしょう。

たとえば、微生物は鉱物学だけではなく、地球物理学にも関係しています。日本の地層にいる微生物は米国にいる微生物とは異なります。地下水の化学物質が異なるからです。

マーギュリスの発想と同じように、システムの一つの部分だけをみず、すべての面をみなければなりません。すべてが相互につながっているからです。

とはいえ、「分野横断」を実現するのは非常に難しい。地球物理学者は、微生物学者の使う言語の知識がないからです。異なる専門分野の言語を学ぶには、高いハードルを越えなければなりません。

しかし”知の結合”は何よりも重要ですし、やりがいもあります。そうしなければたどり着けなかったような、科学的な問いに対して答えをみつけ出せるのですから。

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