2019年08月28日 公開
2023年01月11日 更新
「世界中の金融緩和でお金が増えているのだから、日本も株を買っていかないとどんどん大きな資本力にやられてしまうんじゃないか」――これがまさに日銀の言い訳だ。
しかし、それは間違っている。みんなが間違ったことをやっているのだから、自分も間違ったことをやっても良いというわけにはならない。やはり間違ったやり方をしている国は、恐らく最後の結果を見れば間違っていることが分かるだろう。そして今踏ん張って正しい道をたどり、正しいことをやっている国は最終的にリッチになるわけだ。
20年後、日本のことを考えたら、今10歳の日本人は30歳になった時点で、借金が数え切れないほどの額になっており、そしてその借金を必ず返さなければいけない。この事実は消そうとしても消えない。
アメリカ人である私は借金の返済をしなくて済むが、日本人であるあなたがた読者にとっては、避けて通れない事実だ。そもそも借金を返す日本人はどこにいるのかということも心配の一つである。
私の大好きな国日本は、残念ながら借金という事実に真剣に向き合わなければいけない時期に来ていると思う。
著書『お金の流れで読む 日本と世界の未来』の中で、私は「日本が50年後にはなくなってしまうかもしれない」ということを述べた。
これは日本の読者にはショッキングな内容だったようだが、単純な計算をすると、やはりそうした結論にならざるを得ない。
どんどん借金が増え続け、どんどん人口が減る。日本は国としては生き残ることはできるかもしれないが、たとえば今のポルトガルと同じように、「かつては極めて裕福な国であったが、もうそれは過去の話だ」ということになるかもしれない。
今、「ポルトガルに移住しなきゃ」と言っている人は一人もいない。地理的に島としての日本は残るかもしれないが、その島の中に何が残るのかというのは大きな疑問だ。
50年後、あるいは75年後かもしれないが、今のままの状況であれば、その時期はやってくるだろう。
更新:11月24日 00:05