2018年12月25日 公開
2022年12月21日 更新
【洪】 従北左派の根本にある行動原理は、先述した「積弊」の清算・破壊というものです。その意味するところは、大韓民国建国70年のうち、金大中(1998~2003年)と盧武鉉(2003~08年)が政権を握った10年間以外は「悪弊」が積み重なった時代にすぎないので破壊すべきだ、という価値観です。
要するに、李明博・朴槿惠政権時代の政治は無駄な時間を費やしただけであり、再び時計の針を戻し、盧武鉉政権がやり残した社会革命を完遂する。これが彼らの目標です。
そのためには財閥・大企業・自由競争体制という資本主義の積弊を完全に破壊しなければならない。従北左派にとって、盧武鉉・金大中・文在寅以外、つまり韓国建国以来のすべての政権は悪しき旧弊であり、清算すべきだということです。
いみじくも櫻井さんは、韓国にとって近代資本主義体制というのは人工的につくられた仮の姿にすぎず、現在、国家が向かおうとしている退行的な体制こそが本来の韓国の姿ではないか、と示唆されました。その道は、まさに従北左派の進む方向性と合致してしまう。
さらに究極的な表現でいえば、偏狭な種族主義の従北左派の頭の中では「北と1つになっていた時代の朝鮮こそが理想であり、そもそも韓国は生まれてはならない国だった」という認識があるのです。
※本対談は、櫻井よしこ/洪ヒョン著『韓国壊乱』(PHP新書)より一部抜粋したものです。
更新:11月23日 00:05