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「隠れ移民大国」日本はどうすべきか 欧州移民政策の失敗から見えたこと

2018年11月09日 公開
2018年11月09日 更新

宮下洋一(ジャーナリスト)

欧州とは異なる日本人の「おもてなし」精神

日本は「隠れ移民大国」と呼ばれている。将来的に、欧州の二の舞になってはならないと、2020年に開催される東京五輪・パラリンピックを前に試行錯誤を続けている。

しかし、欧州類似型の移民問題は発生しないのではないかと、私は思う。毎回、日本に一時帰国する際、外国人の日本人に対する態度や接し方が、欧米人に対するそれとは大きく違うという発見があるからだ。

日本は、「目には目を歯には歯を」という価値観の中で生きようとはせず、「他人に謝る」行為を怠らない。つまり、外国人は攻撃的になる必要性を見出さず、牙を剥かないのだ。

「丁寧にもてなされれば丁寧に返したくなる」。そこに私は、日本人と移民の間の絶妙なバランスが潜んでいると思うのだ。

欧州の共通移民政策の失敗から見えてきた部分が多いことは確かだが、日本が、本当に欧州から学ぶべきことはあるのか。今後、さらに右傾化する欧州の現場から実態を調査し、移民問題の核心に迫っていこうと思う。

※本稿は『Voice』2018年12月号、宮下洋一氏の「欧州移民政策の失敗から見えたこと」を一部抜粋、編集したものです。

著者紹介

宮下洋一(みやした・よういち)

ジャーナリスト

1976年、長野県生まれ。18歳で単身アメリカに渡り、ウエスト・バージニア州立大学外国語学部を卒業。スペイン・バルセロナ大学大学院で国際論修士、同大学院コロンビア・ジャーナリズム・スクールでジャーナリズム修士。著書に、第21回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作『卵子探しています 世界の不妊・生殖医療現場を訪ねて』(小学館)など。

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