2018年04月12日 公開
2023年02月01日 更新
ヒラリーを支持していたリベラルの識者のなかには、この私的メール問題を「大したことではない」と開き直る輩もいましたが、それで許されるなら、どんな問題でも「大したことはない」ことになってしまいます。自分に都合の悪いときだけ問題を矮小化するのは、リベラルの悪弊の一つといえます。
公文書の管理が重要なのは、セキュリティの問題ももちろんありますが、それ以上に記録が残らないことです。政府が不正を働いていないか、国民がチェックできなくなってしまう。ヒラリーのやっていたことは、民主主義の原則を踏みにじるような行為であり、だからこそアメリカで大問題とされたのです。
さらに現在、トランプ政権が困っているのは、連邦政府のアンチ・トランプ派の官僚がencrypted(暗号化された)メッセージでメールをやりとりするようになっていることです。官僚がそんなことを始めると、政治の透明さが失われ、アメリカが中国のような閉鎖的社会になりかねない。彼ら一部のエリート官僚たちは、国民のことをまるで考えておらず、非常に傲慢だと思います。
(本記事は、4月10日発売の『Voice』2018年5月号、ケント・ギルバート氏の「官僚の毒に侵された日米の憂鬱」を一部、抜粋したものです。
更新:11月23日 00:05