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ケント・ギルバート 日本の「リベラル」は、あまりに変

2018年03月13日 公開
2024年12月16日 更新

ケント・ギルバート(米カリフォルニア州弁護士)

ケント・ギルバート

日本での「リベラル」という言葉の使われ方は、どこかおかしい?もはやアメリカでは古臭い言葉?ケント・ギルバート氏の著書リベラルの毒に侵された日米の憂鬱』(PHP新書)よりその一部を抜粋し掲載する。


今や「リベラル」という言葉は、アメリカ国内では、語義矛盾を抱えた古臭い単語だと認識されているのです。ですから日本で、「私はリベラルです」と堂々と自称する人たちを見かけると、アメリカ人の私は、「私はナウいです」と自慢されているような印象さえ受けるのです。

これから本書で詳述しますが、もともとアメリカでは、宗教的な戒律を重んじる生き方を「保守的(コンサーバティブ)」と呼んだのに対して、「わがまま」を主張したい人たちの発言や行動が「リベラル」とされていた側面があります。しかし現在では、少数者の権利を声高に主張し、彼らへの福祉政策を重視する立場をさすことが多くなっています。

そのような人たちの活動が行きすぎて、かつては「リベラル=自由主義的」という意味合いだったのが、今ではともすれば「リベラル=全体主義的」なニュアンスを連想せざるをえない、とても息苦しい状況を招いているのです。

まったく憂鬱なことに、少なくともアメリカでは、「リベラル」という言葉が、本来の「自由な」「寛大な」「開放的な」「度量の大きい」「偏見のない」といった意味から大きく離れて、今では真逆の「社会に毒をまき散らす存在」として認識されていることを、日本人はよく理解しておいたほうがいいと思います。

特に、リベラルが「自由」とは真逆の、「全体主義的で息苦しい社会」を作り出してしまったことについては、残念ながらアメリカは日本よりもずっと先に行っています。日本人は「リベラルの功罪」について、自分の頭でよく考え、アメリカの失敗の現状と、その原因や対応策について学んでおくべきでしょう。絶対に、アメリカと同じ道を辿ってはいけません。

端的にいえば、「日本人は本当に、日本を現在のアメリカみたいな息苦しい社会にしたいですか?」「リベラルの危険性に気づいていますか?」と、私はいいたいのです。

本書では「リベラル」というものについて考え、現状の「リベラル勢力」が、いかにアメリカという国を蝕み、また日本の「自称リベラル」も、日本という国を現在進行形で蝕んでいるのかという現実を、皆さんにお知らせしたいと思います。

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発売日:2024年12月06日
価格(税込):880円

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